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【楢崎正剛選手 引退会見3】特別な存在だった川口選手 彼がいなければ長くプレーしていない

[ 2019年1月11日 16:22 ]

<名古屋・楢崎引退会見>会見中、笑顔で質問に答える楢崎正剛選手(撮影・椎名 航)
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 サッカーの元日本代表で、名古屋GK楢崎正剛選手(42)が11日、名古屋市内で引退記者会見を行った。4度のW杯出場、J1リーグ最多631試合出場記録を持つレジェンドは今後のGK育成について「多くの人がGKをやりたいという土壌を作っていきたい」と心境を話した。

 会見での一問一答は以下の通り。

 ――GKとはどういう存在か。

 「一つ挙げるのは難しいが、強くないといけない。練習はハードだし、試合で起こることはツラいことが多い。人間的にもボスでなければいけない。何かに特化して強いのではなく、バランス良くないといけない。誰よりも練習をしないといけない。色んな面で強くないといけない。僕が強ければ、もっと良い選手になっていたかもしれない」

 ――技術面では。

 「確実にセーブする。取れないボールを取るのではなく、取れるボールを確実に取る。それを基本としてプレーしていました」

 ――代表でもライバルだった川口選手とは。

 「僕にとっては先輩でもありますし、中学、高校から全国レベルで活躍する有名な選手だった。追い掛ける立場として、見本として捉えていた。憧れでもあった。そういう選手と同じ時代に代表やリーグで戦えて、僕も成長させてもらった。彼がいなければ僕も長くプレーしていない。僕にとっても特別な存在だった」

 ――次の世代に伝えたいことは。

 「GKは素晴らしい仕事ができる。1ゴール以上の仕事ができる美しいポジション。多くの人がGKをやりたいという土壌を作っていきたい。アジア杯で代表チームが戦っているけど、選ばれている選手は特に強い気持ちで、自分が日本のGKを引っ張る気持ちを持って。“日本のGKはやるじゃないか”と世界に思ってもらえるようにやって欲しい」

 ――川島選手とは。

 「今でも連絡を取り合っている。どれくらい良い影響を与えられたか分からないけど、僕も影響を受けた。良い関係。エイジが代表でプレーして、日本にもたらしたモノは大きくて、そこに僕が関わっているならば嬉しい」

 ――今後については。

 「辞めると決めてから時間が経っていないので、具体的には決めていない。クラブから話をもらっているので、色々考えながら決めたい。これからゆっくりと考えたい」

 ――指導者は?

 「監督のイメージはできないけど、日本のGKを育てないといけないという声はツラい。何とか自分もGKの発展、育つような手助けはしていきたい。具体的にこうしようというのはないが」

 ――サッカーからは離れない?

 「僕はサッカーに育てられた。サッカーに恩返ししていきたい思いは一番強い。発展に貢献していきたい」

 ――大切にしていきたい個性は。

 「自分のことを自分で評価するのは苦手。謙虚にシンプルに生きてきた。それは変わらない。何か変えることはない。そのままの自分を信じています」

 ――支えてくれた方々にメッセージを。

 「多くの指導者に巡り会えて、全ての指導が身についた。感謝しきれない。横浜F、グランパス、日本代表…全ての指導者に感謝。何より自分の土台を築いてくれた小中高の先生方にお礼を言いたい。たまたま僕が奈良県に住んでいる時に、奈良県のサッカーに力を入れようとしていて、その1期生だった。全て運が良かったが成長を助けてくれた。指導者の方に感謝したい」

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