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小笠原に見た本物の優しさ…いつも心にあった被災地支援

[ 2018年12月28日 08:30 ]

現役引退することを発表した鹿島の小笠原
Photo By スポニチ

 【記者フリートーク】無骨な小笠原が、使命感に駆られたように熱く語ることがある。11年の東日本大震災の復興支援についてだ。

 1年前の12月27日、岩手県大船渡市で話を聞いた。旧赤崎小の跡地に造った土のグラウンドを人工芝化。自ら関東の約10カ所を巡って人工芝を選定した。「被災地を見ることのない(外部の)子供たちに来て見てもらって、何かを感じてほしい」と訴えた。

 福島出身で日本代表の専属シェフ・西芳照氏は、小笠原が開いた教室がきっかけで広野町に子供が戻ってきてくれたと感謝する。「普通だったら1回2回来て終わるじゃないですか。それを福島に限らずあちこちでずっと続けてくれている。頭が下がる思いです」。本物の優しさがある人だ。

 チームでも小笠原の言葉は何度もチームを救った。石井前監督が心労から現場復帰した16年シーズンの終盤には「監督が変わっても、一人一人が変わらないと意味がない」と鼓舞してJリーグチャンピオンシップ優勝へと奮い立たせた。厳しくも温かい。周りの人の旗印であり続けた。(鹿島担当・波多野詩菜)

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2018年12月28日のニュース