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さらば能活 神セーブ連発!有終完封「最高の終わり方」

[ 2018年12月3日 05:30 ]

明治安田生命J3最終節   相模原1―0鹿児島 ( 2018年12月2日    ギオンス )

この試合で引退する相模原GK・川口が胴上げされる (撮影・大塚 徹) 
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 J3相模原の元日本代表GK川口能活(43)が現役ラストゲームを完封勝利で締めくくった。ホームで行われた2日の今季最終戦、鹿児島戦で約3カ月ぶりとなる先発フル出場。“永遠のライバル”名古屋の元日本代表GK楢崎正剛(42)らも駆けつけた中、川口らしい神懸かったセーブを連発して1―0の完封勝利に大きく貢献し、プロ生活25年の最後に花を添えた。

 試合終了のホイッスルが鳴り響くと、川口は両手を突き上げた。次々と駆け寄るチームメートたち。その目には自然と涙が浮かんだ。ホーム最多動員を3500人以上更新する1万2612人のファンが見守った中、神懸かったセーブを連発。ゲーム中、左太腿裏が肉離れ寸前になりながらも、Jリーグ507試合目となるラストゲームを完封勝利で飾り、「最高の終わり方ができて僕は幸せ。選手としての役割を全うできた」とすがすがしい表情で振り返った。

 前回出場した9月2日の鳥取戦では0―7で大敗。今季はここまで出場5試合で白星はなかった。日本がW杯に初出場した98年フランス大会をはじめこれまで数々の修羅場をくぐってきた。だが、この日ばかりは「良いところを見せたい。勝たないといけない」との思いに駆られ、「凄く緊張していた」という。それでも、現役生活を支え続けてくれた妻・佳苗さんから「楽しんで臨んでほしい」と声をかけられると、「楽になった」と最高のパフォーマンスを見せることができた。

 最大の見せ場は後半9分だ。パスに抜け出した相手FWと1対1になると、鋭い飛び出しでシュートを止め、さらにこぼれ球を狙われたところも倒れながらキャッチ。絶体絶命のピンチを防いだ。これにはサプライズゲストとしてセレモニーに登場した元日本代表GK楢崎も「節目の試合とか、大きな大会で自分の持っているものをしっかり出す。その準備は凄い」と脱帽。長年切磋琢磨(せっさたくま)したライバルの凄さを改めて語った。

 日本サッカー界の歴史も塗り替えてきたレジェンドの引退。「すっきりした気持ち。感謝しかない」。プロ25年の最後を最高の形で終えた炎の守護神は「この感謝を違った形で恩返ししたい」と誓った。今後はGK初のJ1指揮官も視野に新たなステージに向かう。

 ◆川口 能活(かわぐち・よしかつ)1975年(昭50)8月15日生まれ、静岡県富士市出身の43歳。94年に清水商(現清水桜が丘高)から横浜M入り。01年にイングランド2部ポーツマスに移籍。デンマークのノアシェランを経て05年に磐田に加入。14年からJ2岐阜、16年からJ3相模原でプレー。W杯には98年から4大会連続で選出。国際Aマッチ116試合出場は日本代表歴代3位タイ、GKで最多。1メートル80、77キロ。利き足は右。

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