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東京V11年ぶりJ1王手、アディショナルタイムに劇弾

[ 2018年12月3日 05:30 ]

J1参入プレーオフ2回戦   東京V1―0横浜FC ( 2018年12月2日    ニッパツ )

後半51分、東京V・GK上福元(左)がヘディングシュート。劇的な決勝点を呼ぶ(撮影・西海健太郎)
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 J2で6位の東京Vが劇的なアディショナルタイム弾で同3位の横浜FCに1―0で競り勝って、J1参入決定戦進出を決めた。引き分ければ敗退だったが、試合終了間際の右CKで、攻撃参加していたGK上福元直人(29)が頭で合わせ、こぼれた球をFWドウグラス・ヴィエイラ(31)が押し込んだ。08年以来11年ぶりのJ1昇格を懸けて、8日にヤマハスタジアムでJ1で16位の磐田と対戦する。

 7分間のアディショナルタイムがまたしてもドラマを演出した。後半51分、MF佐藤の右CKを、攻撃参加していたGK上福元がニアサイドでヘディングシュート。相手GK南が足ではじいたが、こぼれたボールを途中出場のFWドウグラス・ヴィエイラが中央からゴール左へ右足で決めた。引き分けなら横浜FCが決定戦進出だったが、残り1分でのどんでん返し。残留圏内から急転して“入れ替え戦”に回ることになった前日の磐田に続いて、劇的な幕切れだった。

 「自分に真っすぐ向かってボールが来たので、僕のボールだと思って突っ込んだ。コースを狙うというより、枠に。自分のゴールではないけど、貢献できてよかった」

 上福元はこう振り返る。直前の2度のCKでも相手ゴール前に上がろうとしたが、ベンチのロティーナ監督に制止され、最後にゴーサインが出て、殊勲の“アシスト”につなげた。11月15日にJ創設時にGKとして活躍したOBの藤川孝幸さんが胃がんのために56歳で死去。「今年加入したので会ったことはないが、羽生社長から聞いて、藤川さんの支えが勝利につながった」と、同じポジションの上福元は天国のレジェンドの後押しに感謝した。

 故障でスタメンを外れ、途中出場のドウグラス・ヴィエイラもここ一番の勝負強さを見せた。「チーム一丸で戦った成果。勝利できてうれしい。最後のチャンスだったし、可能性がある限り何かしようと思った。でも、決めたのは自分だが、チーム全員のゴール」とチーム一丸を強調する。次は磐田戦、勝てば11年ぶりのJ1昇格が待っている。「彼らは1部チームで、ホームで戦える優位さもある。でも我々は意欲にあふれている」とロティーナ監督は手応えを口にする。名門復活へ、あと1勝だ。

 【東京Vの苦闘の歴史】

 ◆初のJ2降格 守備が崩壊した05年、失点はリーグワーストの73点に及んだ。7月にはアルディレス監督を解任。その後も成績は安定せず、創設時からJリーグをけん引してきた名門が初のJ2降格となった。

 ◆2度目の降格 助っ人FWフッキ(現上海上港)の活躍で07年にJ2で2位となりJ1に返り咲いた08年だったが、7月にフッキが欧州へ移籍すると白星から見放され、自動降格圏の17位に転落。翌年の強化費も大幅削減された。

 ◆最低順位 三浦泰年監督2年目の14年。中島翔哉がFC東京、巻誠一郎が熊本、高原直泰が相模原へと前年まで主力だった選手が続々移籍。シーズン終盤、成績不振を理由に三浦監督を解任するも立て直せず、年間順位はクラブ史上最低の20位に終わった。

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