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【中田浩二の視点】勝敗を分けたRマドリード個の質の高さ

[ 2016年5月30日 09:50 ]

胴上げされるジダン監督(AP)

 RマドリードはC・ロナウドのコンディションが悪く、ペースが握れなかったが、最後は個の質で勝った。前半15分の先制点はクロースのFKの精度と、ボールをそらしたベイルの質の高さが生んだ。流れから取れなくてもセットプレーから取れる強みがある。

 PK戦でもAマドリードのGKオブラクが迷って跳ばなかったのに対してRマドリードのナバスは1本目から思い切り跳んでいた。次の選手は見ているので4番手のファンフランはギリギリを狙ってポストに当てた。見事な心理戦だった。

 Aマドリードは試合中に何度もシステムを変えていた。ブロックをつくって堅く守れる4―4―2でスタートし、後半から選手交代をして、攻撃しやすい4―1―4―1に、同点になると再び4―4―2にした。戦術がよく浸透し、選手も役割を理解してよく応えていた。ただ、堅守とカウンターが特長だけに、早い時間で失点して攻めなければならない展開になったことと、後半3分のPK失敗が誤算。組織力にたけていたが、個の質の違いが勝敗を分けてしまった。 (元日本代表DF)

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2016年5月30日のニュース