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トッティ、600試合出場を達成 指揮官とも関係修復…契約延長へ

[ 2016年5月10日 09:35 ]

セリエA通算600試合出場を果たしたローマの王子ことトッティ(AP)

セリエA第37節 ローマ3―0キエーボ

(5月8日)
 ローマの元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ(39)が8日、セリエA史上3人目となる通算600試合出場を達成した。今季ホーム最終戦のキエーボ戦に後半14分から出場。同40分にチーム3点目をアシストして、3―0でのチーム4連勝に貢献した。1月に就任したルチアーノ・スパレッティ監督(57)との確執から退団の可能性が浮上していたが、最近5試合で4得点の活躍で1年の契約延長を勝ち取りそうだ。

 かつて「王子」と呼ばれ、今や「ローマ王」「ローマ皇帝」と称される39歳のトッティが、また新たな歴史を刻んだ。前半にアップを開始しただけで約6万人の観客が沸いたホームで後半14分に総立ちの拍手に送られてピッチへ。16歳だった93年3月28日にブレシア戦でセリエA初出場を果たしてからローマ一筋24年目で通算600試合出場を達成した。コリエレ・デロ・スポルト紙によると、地元サポーターの熱狂的な称賛に感激し、涙ながらに「600試合、ありがとう」と語った。

 セリエA通算出場数で歴代最多647試合のDFマルディーニ(ACミラン)らに続く史上3人目の快挙。FWでは初の大台到達だ。リーグ歴代2位の248得点を誇る“レジェンド”はプレーで健在ぶりを証明。2―0の後半40分、左からのパスを右足ダイレクトで角度を変えて絶妙のスルーパスを送り、MFピャニッチの得点をアシストした。2日のジェノア戦でFKから豪快なゴール、4月20日のトリノ戦は3分で2得点して、ともに逆転勝利に貢献。全て途中出場で最近5戦4発と、スーパーサブとして驚異的な活躍で自らの退団話を吹き飛ばした。

 わずか1カ月前までは移籍が確実視され、FW岡崎が所属し、元ローマのラニエリ監督率いるレスターも候補に浮上していた。今季限りで切れる契約の延長交渉が滞り、1月に就任したスパレッティ監督とは出場機会減少を巡って衝突。2月に「傷ついている。これではローマにいられない」と不満をぶちまけた。「主将でも特別扱いはできない」という指揮官からメンバー外の処分を受けるなど一時“戦力外”扱いとなったが、最近の活躍で「私にも協調性はある。必要ならばトッティを使う」と頑固な監督から信頼を勝ち取った。

 正式発表はまだだが、4月末から地元各紙はローマと契約を1年延長する見通しと報道。地元で生まれ育った“ローマの象徴”は9月に40歳を迎える来季も古都でプレーすることになりそうだ。 

 ◆フランチェスコ・トッティ 1976年9月27日、イタリア・ローマ生まれの39歳。8歳でローマの下部組織に加入。93年に16歳でトップチーム初出場を果たしてからローマ一筋にプレーし、公式戦通算757試合304得点。00~01年にMF中田らとともにクラブ3度目のセリエA制覇を果たした。06~07年に26得点でセリエA得点王。14年11月に欧州CL最年長得点記録を38歳59日に更新した。イタリア代表は通算58試合9得点、06年W杯優勝。1メートル80、82キロ。利き足は右。

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2016年5月10日のニュース