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澤さん、FIFA理事候補に 大仁会長が推薦「十分ありえる」

[ 2016年2月28日 05:30 ]

<横浜・仙台>試合前、リポートする澤穂希氏(左)と鈴木啓太氏

 昨季限りで現役を引退した元なでしこジャパンの澤穂希さん(37)が、FIFAの理事となる可能性が浮上した。FIFAは26日、スイス・チューリヒで臨時総会を開催。全会一致で承認された規約改定で、新たな理事会では各大陸連盟から女性理事を少なくとも1人選出することが決まった。日本協会の大仁邦弥会長(71)は、その候補者に澤さんを推薦する可能性を示唆。

 汚職事件で信頼を失ったFIFAの再建に、澤さんが理事として貢献することになるかもしれない。臨時総会で、汚職事件の責任を問われ辞任したブラッター氏の後任に、インファンティノ新会長が決定。45歳の若きリーダーの下で取り組む改革案も承認され、各大陸連盟から少なくとも1人は女性理事を選ぶことが決まった。総会後に日本協会の大仁会長は、アジア連盟からの候補に澤さんを推薦する可能性を問われると「十分あり得ると思うし、我々も考えたい」と前向きに語った。

 澤さんがFIFA理事となれば、日本人女性として初めて。過去に市田左右一氏、野津謙氏、小倉純二氏が務めたほか、昨年に日本協会の田嶋幸三副会長が就任した。FIFAの改革案では、権限が集中して腐敗体質の温床との批判があった理事会は意思決定部門と実務部門に分割され、これまでの20数人から増やして37人で構成する。現在の女性理事は特任理事のモヤ・ドット氏(オーストラリア)ら3人。新理事会は6大陸連盟から6人以上が選出されるため、発言力が増して改革に向けた重要な役割を担うことになる。

 澤さんは27日、Jリーグ横浜―仙台戦(日産ス)のテレビ中継にスペシャルゲストとして出演。仙台の運営・広報部長を務める夫の辻上裕章氏はチームに同行しており同じ会場での仕事となった。近況について「今は主婦をやってます。限られた時間で仕事をさせていただいてます」と語った。12年1月にFIFA女子最優秀選手に輝いた実績、知名度はワールドクラス。W杯開催地を決定するなどFIFAの最高意思決定機関である理事会は、昨年12月の引退会見で「澤穂希にしかできない仕事をしたい」と語った澤さんにふさわしい大役といえそうだ。

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2016年2月28日のニュース