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【J1記者推し】神戸・藤谷壮 俊足SB「賢く強く」東京五輪で輝く

[ 2016年2月16日 09:17 ]

 東京五輪の右サイドバック有力候補が、ルーキーの神戸DF藤谷だ。50メートルを5秒9で駆け抜ける俊足を武器に、実質プロ2年目の今季は定位置奪取を狙う。

 肩書は高卒新人ながら、神戸U―18に所属していた昨季に2種登録でデビュー済みだ。4月12日のホーム甲府戦に途中出場し、17歳5カ月15日のクラブ最年少出場記録を更新。終盤のリーグ2試合と天皇杯2試合でも先発出場するなど、高校生ながら経験は積んだ。

 ただ、壁にも突き当たった。スピードがあるとはいえ単独突破だけでは通用しないのがプロの世界だ。2―5と大敗した浦和とのシーズン最終戦などで周囲との連係の必要性を痛感。さらに、接触プレーではじき飛ばされるなどフィジカルの弱さも露呈した。「上半身を大きくしないといけない。頭を使って賢くプレーできるように」と課題を自覚して取り組む日々だ。

 飛躍を感じさせる要素はプレー面だけにとどまらない。高2で参加した昨年2月のキャンプでネルシーニョ監督の目に留まり、「(藤谷)壮は近代的なサイドバックだ」と絶賛されると同時に、クラブ側からも早期のプロ契約を催促された。

 しかし本人がその好機に飛び付くことはなかった。プロとして出場を続ける中でも最後まで学業を優先し、神戸・科学技術高を今春に卒業予定。確固とした信念を貫き通すメンタルもプロ向きだ。

 「少しでも多く試合に出たい」。控えめに目標を語る華奢(きゃしゃ)な18歳。フィジカルの強さと駆け引きの巧みさを身につければ、一気にブレークする予感を秘めている。

 ◆藤谷 壮(ふじたに・そう)1997年(平9)10月28日、神戸市生まれの18歳。ポジションはDF。神戸ジュニアから神戸U―15、神戸U―18を経て、今季からプロ契約。14年から2種登録され、高3だった昨年にプロデビューを果たし、リーグ戦4試合に出場。U―17、18、19日本代表。1メートル78、62キロ。利き足は右。

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2016年2月16日のニュース