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10代移籍金最高66億円!マンU“神童”2発で評価も二重マル

[ 2015年9月22日 05:30 ]

サウサンプトン戦でゴールを決めるマンチェスターUのFWマルシアル(右)(AP)

 マンチェスター・ユナイテッドに若きスター候補が誕生した。20日、日本代表DF吉田麻也(27)がフル出場したサウサンプトンを相手に、新加入のフランス代表FWアンソニー・マルシアル(19)が2ゴールを挙げて、3―2の逆転勝利と2位浮上に貢献した。今月1日に10代選手で史上最高となる移籍金3600万ポンド(約65億8800万円)でモナコから加入し、デビューからリーグ2戦3得点と活躍。“アンリ2世”の呼び声高いストライカーの凄さとは。

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 19歳とは思えない落ち着きぶりだった。リーグ初先発で、1トップに起用されたマルシアルが前半34分に同点弾。ペナルティーエリア内で、こぼれ球を受けると相手DFを左足の切り返しでかわし右足でゴール右に流し込んだ。後半5分には相手DF吉田のバックパスを奪って、GKとの1対1から、いとも簡単そうに勝ち越し弾を決めた。そのプレーぶりをリーグ公式サイトでは「アイス・クール(氷のように冷静)」、ロイター通信は「ベテランのよう」と表現。まだ、英語が話せないフランス代表FWは、ツイッターで「Thanks God(神様ありがとう)」と喜びをつぶやいた。

 加入時にルーニーが「マルシアルって誰?」とチームメートに尋ねたほど英国で無名だった選手が、高額移籍金に見合う実力を証明しつつある。移籍期限最終日の今月1日にモナコから4年契約で加入。フランスリーグ通算52試合11得点という実績しかないストライカーに、マンUが支払った移籍金はルーク・ショー、ルーニーらを超える10代選手史上最高額の約66億円。ファンハール監督ですら「バカげた金額」と批判した上で「次の監督のために獲得した」と即戦力としては見ていなかった。

 フランス国内では既に“アンリ2世”と呼ばれていた理由を、デビュー戦で披露した。12日のリバプール戦で途中出場すると左サイドからドリブルで相手DFをかわして初ゴール。長年アーセナルで活躍した元フランス代表FWをほうふつさせるスピードと切れのある個人技に「新たなアンリ」(テレグラフ紙)と英メディアも大々的に報じた。現在解説者のアンリ氏は「素晴らしい得点。シュートを打つ前にGKを見て動けなくした」と解説し「明るい未来が待っているだろう」と後輩に期待する。

 「攻撃の起点になれて、ボールもキープできる。相手DFの裏を取ろうとしている点も素晴らしい。フィジカルも強い。チームにとって重要な存在だ」とファンハール監督。デビューからリーグ2戦3発の活躍で名将の低評価を覆した。チームは2位に浮上。指揮官が「今季は優勝を狙える」と3季ぶりのリーグ制覇を目指す名門で、背番号9は大きな役割と期待を担うことになりそうだ。

 ◆アンソニー・マルシアル 1995年12月5日、フランス・マシー生まれの19歳。リヨンの下部組織出身で17歳の誕生日翌日だった12年12月6日に欧州リーグのキリヤット・シュモナ(イスラエル)戦で初出場。13年7月に移籍金500万ユーロ(当時約6億4200万円)でモナコと3年契約。昨季はリーグ35試合でチーム最多タイの9得点。今月4日の親善試合ポルトガル戦でA代表デビュー。既婚で家族はサマンサ夫人と長女トトちゃん。1メートル81、76キロ。利き足は右。

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2015年9月22日のニュース