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新スター現れず…堕ちた“オレンジ軍団”ユーロ予選敗退危機

[ 2015年9月8日 06:30 ]

トルコに敗れ落胆するオランダ代表FWファンペルシー(AP)

 オレンジ軍団に黄信号がともった。16年欧州選手権フランス大会の予選は6日に9試合が行われ、A組3位のオランダは敵地でトルコに0―3で完敗して2連敗。勝ち点12としたトルコと2差の4位に転落した。1位アイスランド、2位チェコの本大会出場が決定。オランダは残り2試合でプレーオフ出場圏の3位も自力では不可能となり、84年以来8大会ぶりの予選敗退が現実味を帯びてきた。14年W杯ブラジル大会3位の強豪が低迷している理由とは…。

【A組順位表&日程】

 オランダが崖っ縁に追い込まれた。プレーオフ出場圏への生き残りを懸けたトルコとの直接対決に、まさかの0―3で大敗。負傷欠場のFWロッベンに代わり主将を務めたFWファンペルシーは「本当にひどい」とぼう然とピッチを後にした。

 A組の第1シードだった強豪が敗退圏の4位にまで転落。MFスナイダーが「運が悪かったのかもしれないし、自信の欠如かも…」と低迷の理由を明確に答えられないのが最大の問題なのかもしれないが、3失点の守備に課題を抱えているのは明らかだった。前半8分に相手MFアルダのスルーパスから簡単に最終ラインの裏を取られて失点。26分には自陣のスローインからMFブリントがアルダにボールを奪われて追加点を許した。センターバックのデフライとブルマはともに23歳で経験が不足し、左サイドバックは18歳のリーデバルトがフル代表デビュー。絶対に落とせない大一番で初招集の10代を先発起用せざるを得ないほど人材不足は深刻で、長年最終ラインを支えたマタイセン、ハイティンガらの後継者は育っていない。

 攻撃陣も世代交代が進んでいない。準優勝した10年W杯南アフリカ大会の主力だった32歳のファンペルシー、31歳のロッベン、スナイダーが依然として先発起用されているが、負傷や衰えから結果を残せていない。ベテランに代わる新たなスターが現れない状況を、地元紙フォルクスクラントは「今の代表は平凡な選手が多すぎる」と嘆く。

 迷走する采配も批判の的だ。昨年のW杯ブラジル大会でファンハール監督は5バックを採用。守備のタレントと経験の不足をカバーし、堅守速攻を貫いて3位となった。後任のヒディンク監督は「重要な選手と話し合って4バックに戻すことを決めた」と伝統の攻撃的4―3―3布陣への回帰を表明も、欧州選手権予選初戦のチェコ戦は5バックで1―2の敗戦。その後再び4バックへ戻すなど戦術的なぶれを露呈し、チームを立て直せないまま6月に辞任した。

 後任としてコーチから昇格したブリント新監督は悪い流れを変えられずアイスランド戦、トルコ戦と2連敗。「(予選突破は)もう自力で決められない」とファンペルシーが言うように、3位でのプレーオフ進出も10月にカザフスタン、チェコに勝った上でトルコの取りこぼしを待つしかない。

 ▽欧州選手権予選 今大会から本大会出場枠が24チームとなり、前回大会より8増。開催国フランスをのぞく53チームが抽選で9組に分かれてホーム&アウェー方式で総当たりのリーグ戦を行い、各組上位2チーム(計18チーム)が本大会出場。さらに各組3位のうち最多勝ち点チームが本大会出場。各組3位の残り8チームは11月にホーム&アウェーのプレーオフを戦い、勝者の4チームが本大会に出場する。

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2015年9月8日のニュース