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格下に抜かりなし!ハリル流“上から目戦”で選手交代に生かす

[ 2015年9月8日 05:30 ]

会場入りし、ジョギングする日本代表

 日本代表は8日、アザディ・スタジアムでW杯アジア2次予選アフガニスタン戦を行う。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は効果的な交代カードを切るため、手倉森誠コーチ(47)に前半はスタンドで試合分析、後半はベンチ入りするように指示。3日のカンボジア戦後は悪いプレーを中心に集めた映像を選手に見せて猛省を促すなど妥協を許さない姿勢を貫き、FIFAランク130位の格下との戦いに臨む。指揮官は7日の会見で先発2人の入れ替えを示唆、その後の練習でチームは最終調整をした。

【予想スタメン 日本代表メンバー W杯アジア2次予選E組】

 ルーティンをこなして、ハリルホジッチ監督が決戦に備えた。決戦の地アザディ・スタジアムで行われた公式練習。公開された冒頭15分で指揮官はいつも通り黙々とピッチの周りをランニングした。会見では「アフガニスタン戦からアウェーで5試合続く。可能な限り勝ちたい」と宣言。ボールの走りを良くするため、長い芝生を約1センチ刈り込み試合前に水をまくよう運営側に要求する細やかさも見せた。

 アジアの戦いの難しさを肌で感じ、新たな策も準備した。これまでベンチ外だった手倉森コーチを前半はスタンドから試合分析、後半はベンチ入りさせることを決定。3日のカンボジア戦で試験導入しており、今後は定着させる。霜田技術委員長は「上から見た情報は貴重。効果的に交代カードを切るためにも手倉森コーチの役割は重要になる」と明かした。

 格下ぞろいのアジア2次予選では、引いて守備を固める相手をいかに崩すかがポイント。支配率が70%以上になる展開で後半は“攻め疲れ”も出るだけに、交代選手の役割が重要になる。だが、6月16日のシンガポール戦とカンボジア戦の2試合は途中出場選手のゴール、アシストはない。指揮官は、U―22日本代表監督を兼任してアジアの戦いを熟知する手倉森コーチの戦術眼を活用して采配に生かす構えだ。

 ハリルホジッチ監督はテヘラン入り後のミーティングで選手にダメ出しを連発。試合の悪いプレーを集めた映像を見せて猛省を促している。アメは与えずムチを入れまくる“ドS”指導。シンガポール戦、8月の東アジア杯、カンボジア戦と低調な内容が続き周囲からの風当たりは強くなっているが、「代表監督と首相は批判されるもの。私はいくつものクラブ、代表チームで仕事をしてきたが、全てのプロジェクトで成功した。1、2、3年後には(批判ではない)別の話がされているだろう」と自信を見せた。手倉森コーチの活用は、ある意味で、自らの采配がさえなかったことを認めた証。己にも選手にも一切の妥協を許さず、勝利だけを目指してタクトを振る。

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