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岩渕を成長させた独での2年半 大柄な選手にもひるまずチャレンジ

[ 2015年6月28日 14:50 ]

途中出場で決勝ゴールを決め、チームを勝利に導いたFW岩渕(AP)

女子W杯カナダ大会準々決勝 日本1―0オーストラリア

(6月27日 エドモントン)
 オーストラリアを下し、2大会連続のベスト4入りを決めたなでしこジャパン。後半42分にこぼれ球を押し込んで決勝ゴールを決めたFW岩渕真奈(22=バイエルンM)は、13年にホッフェンハイムに移籍するまでなでしこリーグの強豪、日テレ・ベレーザでプレーした。

 当時チームメートとしてともにプレーし、かつて代表MFとして2度のW杯に出場した小林弥生さん(33=日テレ・ベレーザ育成組織アシスタントコーチ)は「最年少でのびのびやれているのが分かる」とし、「皆の気持ちがブッチー(岩渕の愛称)につながったゴール」と表現。「岩渕は大会前に右ひざを怪我しましたが、岩渕が合流しても安藤が怪我でチームを離れたり、色々あった。安藤の思いを背負いながら皆が戦っている中で、流れを変えられる選手がゴールを決めたのは次につながります。あそこにいる。こぼれ球を決める。いわゆる“持ってる”のも岩渕の魅力のひとつですね」と熱く語った。

 現役時代にはボランチからFWまでこなすユーティリティープレーヤーとして知られた小林さんだが、岩渕とは自身がボランチとして絡むことが多く、そのコンビは「すごくやりやすかった」と振り返る。

 「岩渕は動き出しが速いので、パスが出しやすかったんです。守備から攻撃に移った時、岩渕は相手の守備より先に動いてくれる。私もそこで出すのが好きだったので、お互いの意思疎通があってすごく楽しかった。一緒にプレーする中で岩渕を生かすことが出来たし、岩渕のおかげで自分も生きることができた。私がボールを持った時にパッと岩渕を見ると、足元で欲しい時は要求してくるのですぐに出したり、スルーパスを出したり、ロングパスを出したり…。得意のドリブルはもちろんですが、ボールを持っていると何かしてくれるとワクワク感があるのが岩渕。頼もしいFWでした」。

 岩渕はドイツで2年半プレー。小林さんは「プレースタイルは変わらないけれど、体ががっちりして強くなった」と見た目の変化を感じ取り、「大きい選手に対してひるまず、チャレンジする姿勢が見える」という。

 「以前は当たり負けすることもありましたが、ドイツに渡って今は“出来る!”という自信に満ちた顔でプレーしているのが見ていて分かります」。そして、「ひざの怪我がなければスタメンで出たかった大会だと思いますが、自分の役割を受け入れて、途中から試合に入って流れを変えることに徹している。大人になったなーって思いますね」とうれしそうに笑い、「22歳でもうW杯に2回出場。これはすごいこと。でも、あと2回…いや3回は出れますね」と成長著しい後輩の姿を頼もしく、まぶしく見つめた。

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2015年6月28日のニュース