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田嶋副会長 FIFA理事トップ当選!W杯4・5枠死守へ期待

[ 2015年5月1日 05:30 ]

FIFA理事に初当選し、笑顔で抱負を語る日本サッカー協会の田嶋幸三副会長

 アジアサッカー連盟(AFC)は30日、バーレーンのマナマで総会を開き、国際サッカー連盟(FIFA)理事選を実施した。2枠を争う任期4年に立候補した日本サッカー協会の田嶋幸三副会長(57)が2度目の挑戦で初当選。小倉純二名誉会長(76)が11年に退任して以来、約4年ぶりに4人目となる日本人のFIFA理事が誕生した。

 46票のうち過半数を大きく上回る「36」の得票が示されると、田嶋副会長はホッとした表情を浮かべた。「やってきたことが実った。当選してあらためて責任の重さを感じる。日本、アジア、世界サッカーのために全力を尽くしたい」。改選3枠の中で任期4年の2枠を4人で争った。各国の有力者を相手にFIFAのブラッター会長が小倉名誉会長に「凄い勝ち方」と認めた圧勝だった。

 地道な活動が実った。田嶋副会長は14年は年間300日以上も海外に出張。AFC加盟46カ国でシリア、パレスチナ、イエメン、アフガニスタンを除く42カ国に足を運んだ。昨年9月に北朝鮮、4月にイラクに滞在するなど外務省の支援も受け、政情が不安な国々でもロビー活動を展開した。

 日本協会として、アジア諸国への指導者派遣を行うなど貢献事業を継続したことも当選を後押しした。11年のFIFA理事選に落選後はAFC理事に就任して実績を積んだ。11、12年には不正が横行していたAFC内の浄化を図るため評価委員会の委員長に着任。ハマム元会長らの永久活動停止処分につながる調査にも携わった。毎朝の散歩で氏神に手を合わせることも忘れなかった。

 11年に退任した小倉名誉会長以来の日本人FIFA理事の誕生。世界サッカー界の重要な決定事項をつかさどる会議に田嶋副会長が出席できる意味は情報収集や影響力の行使など計り知れない。18年W杯ロシア大会の大陸別出場枠は5月のFIFA理事会で配分が決まる予定で、アジア全体のために4・5枠を死守することが田嶋理事の最初の仕事になる。日本協会が目指す23年女子W杯招致でも大きな役割が期待される。14年W杯、1月のアジア杯で早期敗退するなど苦闘が続いた日本サッカー界に、久々に明るいニュースが届いた。

 ◇田嶋 幸三(たしま・こうぞう)1957年(昭32)11月21日、熊本市生まれの57歳。浦和南高3年時に全国選手権優勝を経験し、筑波大を経て80年に古河電工入り。82年に25歳の若さで現役引退し、ドイツに留学してコーチ資格を取得した。U―17日本代表監督などを経て、日本協会技術委員長に就任。06年に専務理事、10年に専務理事兼副会長。11年からAFC理事を務める。

 ▽FIFA理事会 FIFAの最高意思決定機関で、年間2度以上は開催される。会長、副会長8人、理事15人の24人で構成。理事は各大陸連盟ごとに枠が割り当てられている。会議には事務局長、特別枠の女性理事も出席して、大会開催地や予算分配などを決定。各大陸の重鎮、キーマンが集まるため、世界のサッカー界の動向を知るための、貴重な情報交換の場にもなっている。

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2015年5月1日のニュース