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20年目の米MLSド派手開幕 ビジャ先制アシスト!カカー同点弾!

[ 2015年3月10日 09:00 ]

MLS開幕節のオークランドVSニューヨーク・シティ戦で満員になったシトラスボウルスタジアム (AP)

米MSL第1節 オーランド1―1ニューヨーク・シティ

(3月8日)
 今季で20年目を迎えた米メジャーリーグサッカー(MLS)が6日に開幕した。8日には新規参入の2チーム、オーランドとニューヨーク・シティーが対戦し、リーグ史上2位の観衆6万2510人を記録。ニューヨークCの元スペイン代表FWダビド・ビジャ(33)が先制点をアシストすれば、オーランドの元ブラジル代表MFカカー(32)が1―1の引き分けに持ち込むゴールを決めるなど、華々しい幕開けとなった。

 千両役者だった。0―1で迎えた後半ロスタイムの46分、ゴール正面で得たFK。カカーが蹴ったボールは相手に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。劇的同点弾に場内は興奮のるつぼ。ACミランからサンパウロを経てオーランド入りしたカカーは「チーム第1号を決めたかった。数多くのゴールを決めてきたけど、これは特別なゴール」と喜んだ。

 フロリダ州オーランドのシトラスボウルに集まった6万2510人の観衆は、ロサンゼルスがリーグ初年度の96年初戦で記録した6万9255人に次ぐ動員数。ニューヨークCも、Aマドリードから加入のFWビジャがドリブルで2人を抜き先制点をアシストした。ビジャは「勝ち点3を取れたのに残念」と話したが、新加入のスター選手が活躍して盛り上がる最高の開幕カードとなった。

 今季のMLSはカカーとビジャ以外にも大物が参戦する。マンチェスターCのMFランパードがニューヨークCに、リバプールのMFジェラードがロサンゼルスに、いずれも7月加入予定。MLSは年俸総額を制限するサラリーキャップ制でリーグが選手に給与を支払う形だが、各クラブが独自予算で2人まで獲得できる特別指定選手制度(ベッカム・ルール)を利用して移籍が実現した。

 しかし、サラリーキャップ制により大半の選手は最低年俸の3万6500ドル(約440万円)に近い額でのプレーを強いられてきた。現在年俸1位の717万ドル(約8億6700万円)のカカーらトップ選手との格差は激しく、平均年俸21万3000ドル(約2580万円)はウクライナやギリシャを下回り世界21位(英調査会社調べ)。不公平是正のための労使交渉も難航し、開幕2日前の合意までストライキの可能性があったほどだ。

 新労使協定ではサラリーキャップ枠は15%増の350万ドル(約4億2300万円)に、最低年俸は6万ドル(約720万円)にアップ。MLSで8年プレーした28歳以上の選手には、サッカー界では異例のFA権が認められた。昨季の平均観客数がNBAやNHLを上回る1万9151人、米国内の男女12~17歳の18%がファンというデータにもかかわらず、世界的には“二流リーグ”と位置づけられるMLS。今後は取得期間短縮が予想され、年俸高騰につながるFA権は20年間堅実路線で成長してきたリーグにとって「ターニングポイント」と指摘する声もある。

 ▽大会方式 20チームが10チームずつ東地区と西地区に分かれ、各チーム34試合(同地区の相手と最低でも2試合ずつ対戦)のレギュラーシーズンを実施。両地区6位までの計12チームがプレーオフの「MLS杯」へ進出し、最高勝ち点のチームは北中米カリブ海チャンピオンズリーグ出場権を得る。11月開幕のMLS杯は両地区とも3位VS6位、4位VS5位をワンマッチで行い、勝者が1、2位とホーム&アウェーで対戦。東西の優勝チームによるファイナルは12月上旬に行われる。

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