×

なでしこ、後半息切れ3失点…川澄先制弾もフランスに逆転負け

[ 2015年3月10日 05:30 ]

<日本・フランス>後半8分、同点のPKを決められ肩を落とす宇津木(13)ら日本イレブン

アルガルベ杯1次リーグC組 日本1―3フランス

(3月9日 パルシャル)
 国際親善大会アルガルベ杯の1次リーグ最終戦が9日に行われ、なでしこジャパンはフランス代表に1―3で敗れた。前半43分にMF川澄奈穂美(29)が先制点を決めたが、後半8分にPKを与えて追いつかれると、25分に勝ち越しを許して突き放された。6月開幕のW杯カナダ大会でライバルとなる強豪に敗れ、1勝2敗でC組3位。W杯本番へ不安を残した。なでしこは11日の9、10位決定戦でB組4位のアイスランドと対戦する。

 試合終了の瞬間、佐々木監督は眉間にしわを寄せてジッとピッチを見つめた。引き揚げてくる選手の表情は険しい。ベンチの川村は両手で顔を覆った。力の差を見せつけられて完敗。宮間主将は「(試合への)入りはこれまでで一番良かったが、負けてしまい情けないし、言葉はないです」とうつむきがちに話した。

 最高のスタートを切った。フランスはFIFAランクで日本を1つ上回る3位。その強豪を相手に先制した。前半43分、大儀見が前線へフィードすると、菅沢がポストプレーで落とし、川澄が右足外側で技ありのゴールを決めた。「たくさんの人が関わった得点。菅沢選手が粘ってくれた」。流れるような連係からのゴール。後半へ勢いがつくはずだった。

 しかし、悪夢が待っていた。後半8分に近賀がPKを与えて同点に追いつかれると、25分と39分にも失点した。終盤は“ガス欠”で足が止まり、攻撃の組み立ての段階でミスを連発。カウンターを浴び、何度もピンチを招いた。指揮官は「スタミナが切れて集中力も切れてしまった」と敗因を分析。仮想W杯と位置付けた今大会。1次リーグ3位となり、本番なら決勝トーナメント進出が危ぶまれる結果となった。

 残すは11日の順位決定戦のみとなった。佐々木監督は「1―3という結果を受け止めてW杯につなげていきたい」と前を向いた。12年ロンドン五輪前。7月にフランスと敵地で親善試合を行い、0―2で完敗した。しかし、五輪本番の準決勝で対戦した時には、押し込まれながらもリベンジを果たした。当時のことを振り返る選手は「本番じゃなくて良かった」と口をそろえる。今回もカナダの地でフランスなど強豪から勝利を奪えるように修正するしかない。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月10日のニュース