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浦和、悪夢再び 森脇先制弾も失速…まるで昨季終盤のVTR

[ 2015年2月26日 05:30 ]

水原に逆転負けし、肩を落とす浦和イレブン

 ACL1次リーグG組の浦和は25日にアウェーで水原(韓国)と初戦を行い、1―2の逆転負けを喫した。前半46分に元日本代表DF森脇良太(28)が先制ゴールを決めたが、昨季リーグ戦の失速をほうふつさせる終盤の失点でまさかの黒星スタートとなった。また、前回ACL王者のウェスタン・シドニー(オーストラリア)と本拠地で対戦した鹿島も1―3で敗戦。前日はG大阪が敗れ、柏は引き分け。Jリーグ勢の初戦は1分け3敗とアジアでの覇権奪回へ苦しい船出となった。

【試合結果 1次リーグG組】

 浦和の悪夢は繰り返された。試合終了の笛が鳴ると、選手はショックを隠せない。終盤に勝ち越しを許す展開に先制弾を決めた森脇は「先制できたのは良かったけど、同点にされて勝ち点1でも持ち帰りたかった。もったいないし、残念」と言葉を絞り出した。

 昨季終盤のVTRを見ているようだった。リーグ優勝に王手をかけたラスト3試合で1分け2敗と足踏みし、5失点すべてを後半に奪われ頂点を逃した。この試合も後半11分にDFに当たって軌道の変わった相手の右クロスがゴールに吸い込まれて同点にされ、42分には相手の右FKから決勝ゴールを許した。

 球際の激しい相手のプレスに苦しめられたのも事実だが、波に乗れない別の理由もあった。同点にされた直後に、ピッチ上では「最低でも勝ち点1」と意思統一したはずだが、ペトロヴィッチ監督は柏木に代えて李という攻撃的なカードを切った。「勝ちにいくメッセージだと思った」と李が話す一方で、柏木は前がかりの単調な攻めに苦言。「ズラタンを狙って、らしくないパワープレーをするのは良くない。最終ラインもずるずる下がって去年の悪さが出ていた」と漏らした。ピッチ内外での微妙な認識の違いが、歯車を狂わせた。

 リーグ制覇との両獲りを見据えて大量の11人を加えた今季、準備は万全なはずだった。今月の鹿児島2次合宿では、中2日で5試合をこなし、各ポジションのユニットごとに多くの組み合わせを試行。橋本、ズラタン、石原と新加入3人を加えた新布陣で今季初戦に挑んだが、昨季終盤からの負の連鎖は断ち切れなかった。「ゲームを読む力を身に付けていかないとハードな一年になる」と森脇は危機感を示した。

 13年大会も初戦のアウェー・広州恒大戦を黒星発進でつまずき、1次リーグ敗退。28日には中2日で富士ゼロックス・スーパー杯を迎えるが、「いい流れに持っていきたい」と柏木。まずは一つ勝つことが、今の浦和への特効薬となる。

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