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股抜き!強烈右足!武藤、アギーレ御前2発で猛アピール

[ 2014年8月24日 05:30 ]

<FC東京・浦和>前半、FC東京・武藤は西川の股を抜きゴールを決める。左は槙野

J1第21節 FC東京4―4浦和

(8月23日 味スタ)
 FC東京FW武藤嘉紀(22)がホーム浦和戦で猛アピールした。日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)が視察する中、前半15分に快足を飛ばし右足で流し込むと、後半19分には強烈な右足で2点目。今季7点目を挙げた。試合は4―4に終わったが、代表スタッフの中で既に候補として名前が挙がっており、28日に発表されるアギーレジャパンの初陣(9月5日ウルグアイ戦、9日ベネズエラ戦)に招集される可能性も出てきた。同じく代表入りを目指すG大阪FW宇佐美貴史(22)も甲府戦でゴールを決めた。
【試合結果】

 武藤がアギーレ監督の前で最高の輝きを放った。まずは1―1の前半15分、平山のスルーパスに左サイドで反応。オフサイドぎりぎりで飛び出し、俊足を飛ばすと最後は右足で冷静に流し込んだ。「左からカットインする形は今までシュートミスしていたので、練習でかなりやっていた。その成果が出たと思います」。後半19分には、ゴール中央でパスを受け、右足で強烈な2点目。クラブの新人シーズン最多記録をあっさりと塗り替えた。

 魅力は相手を一瞬にして置き去りにするスピード。慶大アイスホッケー部で活躍した父もスポーツマンだったが、快足は「母親譲り」だという。部活動に所属していなかった母だが、「陸上部にも誰にも負けたことがなかったみたいです」という。母親のDNAを継いだのか武藤も50メートル6秒の俊足。20日の天皇杯3回戦のJ2松本戦は打撲で欠場したが、その韋駄天(いだてん)ぶりをアギーレ監督に見せつけた。

 高校時代から始めた体幹トレーニングは今も寝る前の日課。今はベンチプレスで精力的に上半身も鍛えており、当たり負けしないフィジカルも魅力だ。スピード、テクニック、豊富な運動量。まさに三拍子そろった新星だ。そんな武藤には日本人の代表スタッフもいち早く注目。さらにアギーレ監督にもその名が伝わり、この日スタンドでその姿をしっかりと目に焼き付けた。

 アギーレ監督がベース戦術に公言する4―3―3システムのサイドアタッカーは、スピードがあって1対1を仕掛けられ、得点力もあるのが理想型。武藤はそのタイプにマッチする。「代表は目標にしているし、小さい頃からの憧れ。最終的には入っていきたい」。アギーレジャパン初陣での現役慶大生の招集が、いよいよ現実味を帯びてきた。

 ◆武藤 嘉紀(むとう・よしのり)1992年(平4)7月15日、東京都世田谷区生まれの22歳。4歳でサッカーを始め、05年にFC東京の下部組織入り。ユースまでプレーし、トップ昇格せず11年に慶大に進学。12年にFC東京の特別指定選手となり、13年7月6日の広島戦でJデビュー。慶大サッカー部を退部し、今季からプロ契約。1メートル78、72キロ。利き足は右。 

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