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遠藤1G1Aで4連勝導く 光った冷静さ…雨も計算、狙い通りのFK

[ 2014年8月3日 05:30 ]

<G大阪・横浜>後半44分、ゴールを決めた遠藤はサポーターを背に両手を挙げ喜ぶ

J1第18節 G大阪2―0横浜

(8月2日 万博)
 逆襲の夏は終わらない。G大阪がMF遠藤保仁(34)の1ゴール1アシストの活躍などで横浜に2―0完勝。J1では11年8~9月以来、3シーズンぶりの4連勝を飾った。これでW杯による中断からリーグ再開後は4戦全勝で、計13得点1失点と圧倒的な強さ。中断前に降格圏16位だった順位は一気に6位まで上昇した。
【試合結果】

 背番号7の右足が、重苦しい雰囲気を振り払った。スコアレスドローが脳裏をかすめた後半37分、遠藤がフワリと浮かせたFKを1メートル89の長身FWパトリックの頭に合わせて先制した。前節の神戸戦でも正確なFKとCKから新助っ人のヘッド弾2発をアシスト。“新ホットライン”で貴重な勝ち点3を呼び込んだ。

 冷静さ、観察眼、技術が光ったFKだった。ゴールほぼ正面、距離は約25メートル。J1通算の直接FKでの得点数は16で、トップの横浜MF中村の17に並ぶチャンスで、狙う選択肢もあったが、司令塔は「可能性の高い方を選ぶ」とパスを選択。降りしきる雨も考えてのことだった。「それまでのキックで、ボールが濡れているので、いつもより曲がる反面、勢いは殺されるのが分かっていた」。さらにスピードを抑えることでDFのタイミングを外し「うまくずらせた。パトリックも、よく合わせてくれた」と納得の表情を浮かべた。

 後半44分には藤春の左クロスを右足でダメ押し弾。守備でも危険な場面で体を投げ出してクリアするなど労を惜しまなかった。

 不完全燃焼に終わったW杯ブラジル大会のうっぷんも晴らす活躍だ。アジア予選で不動のボランチとして出場権獲得に貢献しながら、本大会では途中出場2試合のみ。初戦のベンチスタートを当日に知らされるなど悔しさを味わった。それだけに再出発を図る日本代表への思いも強い。アギーレ新監督の下「代表は常に目指すところ。選ばれるよう結果を残していきたい」との言葉を自らの足で実践して見せた。

 攻守がかみ合い4連勝。05年のリーグや08年のACLなど、タイトルを数多く獲得していた黄金時代を思い起こさせる強さに、当時を知る主将も手応えを隠さない。

 「過去は過去なんで、比べようとは思わない。でも相手は今、ガンバと当たりたくないと思っていると思う。そういう気持ちにさせているのは、自分たちの力」

 自信あふれる口調に、名門復活の確かな予感が漂った。

 ▼FWパトリック(3戦連発、出場4試合で4得点の大活躍)遠藤とは練習から良い関係を築いてきている。(得点シーンは)壁の裏に蹴ってくれたので、強いヘディングを打つことができた。

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