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ロッベン“完全燃走”全7戦フル出場「出し切った。空っぽ」

[ 2014年7月14日 05:30 ]

観客の祝福の声に手を挙げて応えるロッベン(AP)

W杯ブラジル大会3位決定戦 オランダ3―0ブラジル

(7月12日 ブラジリア)
 3位決定戦が行われオランダが開催国ブラジルを3―0で下した。FWアリエン・ロッベン(30=バイエルンM)を中心とした堅守速攻を最後まで貫き、前半17分までに2点をリード。7戦無敗(PK戦は引き分け扱い)で大会を終えた。ブラジルは準決勝ドイツ戦の1―7での大敗のショックを引きずったまま、ホームで74年ぶりのAマッチ連敗。大ブーイングとともに、王国が崩壊した。
【試合結果 決勝トーナメント】

 最後まで走った。ゴールを狙った。そして勝った。ただ、世界一だけを目指してきた分、かつてないほどに空虚な1勝。ロッベンは「(3位に)何も感じない」と偽りのない思いも語ったが、それでも「僕は空っぽだよ。全部出し切った。チームのことは誇りに思う。今大会は3位に値するプレーができた。最高の終わり方だ」と胸を張った。

 チーム唯一の7試合フル出場。「試合をやらなければいけないなら、プロとして勝負に徹しないと」と自分を鼓舞した。試合開始直後、ペナルティーエリアでチアゴ・シウバに倒されPKを獲得。前半17分にも相手を引きつけて追加点の起点となるパスを出した。相手のマンマークをモノともせず、最後まで斬り込み隊長の役割を果たして全3得点に絡んだ。3度目のマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれ、少しだけ、満足感も得た。

 今大会は結果的に最初の2戦の計3得点に終わったが、MVP候補10人に名を連ね、世界最速と言われるスピードも証明した。オランダ紙によると1戦目のスペイン戦では、100メートル換算で10秒28に相当する時速37・0キロのドリブルを披露。決勝1試合を残すが、総走行距離79・3キロは断トツだ。決勝トーナメント1回戦のメキシコ戦では、故意に倒れたことを明かして物議も醸したが、大会を通じて確実に自身の価値を上げた。

 ファンハール監督も、そんな背番号11を評価する一人。来季からマンチェスターUの指揮を執る名将は、試合後にマンU入りを直接オファーしたという。「監督には“今いるチーム(バイエルンM)が好き”だと言った」とあっさり振ったことを笑って告白したロッベンだが、「ファンハールは今までで最高の監督。僕たちは特別な関係になった」。09年のバイエルンM時代から5年間続いた師弟関係に感謝した。

 現在30歳。4年後を目指すには微妙な年齢だが「国のためにプレーできるのは大きな誇り。体が持つ限り代表でプレーしたい」と言い切った。

 W杯制覇へ、燃え尽きることのない思い。ロッベンはピッチを走り続ける。

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