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ネイマール欠き“再パニック”ブラジル連敗4位で権威失墜

[ 2014年7月14日 05:30 ]

オスカル、ダビド・ルイス(左から)ら、試合後、ガックリと方を落とすブラジルイレブン(AP)

W杯ブラジル大会3位決定戦 ブラジル0―3オランダ

(7月12日 ブラジリア)
 カナリア色のサポーターからブーイングが起きた。0―3の完敗で4位に終わった。ホームでの連敗は74年ぶり。公式戦2試合で10失点は78年ぶり。王国の権威は完全に失墜した。チアゴ・シウバ主将は「失望しかない。ブラジル国民に謝りたい。家に帰って負けたことを話すのがつらい」と嘆いた。

 準決勝で7失点の守備陣が再び崩壊した。開始早々、ロッベンの突進に対応しきれずチアゴ・シウバが倒してPK献上。その後もスピードに翻ろうされた。マルセロを仮想ロッベンに見立て対策を練ったが成果は見せられず。ダビド・ルイスは「パニックが起こっていた」と振り返った。1点目はブラジルのW杯通算100失点目でドイツ(121失点)に次ぐ大台到達。大会通算14失点は38年大会の11失点を上回る同国最多記録となった。

 ネイマールの祈りも届かなかった。腰椎骨折で離脱した背番号10はユニホームを着てベンチに入ったが劣勢の展開に終始険しい表情だった。試合後は会見場でフェリペ監督と抱擁し、写真共有アプリ「インスタグラム」に「全ての人に感謝したい。夢はまだ続く。勝者はみんな傷を負っている」と、この経験を糧にはい上がる決意を示した。

 敗因の1つはネイマール依存症。大会を通じてオスカルのドリブル以外に攻め手がなかった。フレッジはボールを収められず、フッキは空回り。パウリーニョが不振でボランチを固定できなかったことも響いた。守っては攻撃的な両サイドバックを狙われ、センターバックの個人能力でしのいだ。だがW杯経験者が6人だけで、予選免除で真剣勝負の経験が少ないこともあり一度崩れると立て直せなかった。自国開催の重圧も負担となった。

 ダビド・ルイスは「この悔しさは18年に6度目の優勝を果たすためのモチベーションになる」と誓った。屈辱感を抱えたまま、ブラジルは復活への道を歩き出す。

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