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冴えているオランダ・ファンハール監督、メッシ対策に抜かりなし

[ 2014年7月9日 13:35 ]

準決勝アルゼンチン戦、前日練習でFWファンペルシー(右)と話し込むファンハール監督(AP)

W杯ブラジル大会準決勝 オランダ―ブラジル

(7月9日 サンパウロ)
 8日ドイツが開催国ブラジルを完膚無きにまで打ちのめし、90年W杯イタリア大会以来24年ぶり優勝に王手をかけた。決勝で対戦するのは、ファンハール監督率いるオランダか、メッシ擁するアルゼンチンか。9日午後5時(日本時間10日午前5時)に行われる試合の見どころをサッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に聞いた。
【試合速報】

 オランダのファンハール監督は、会見で「リアクションに徹する」と語った。高温多湿のブラジル大会で勝ち抜いていくためにはエンターテインメント性を極力排除し、現実的に闘わなければならないと覚悟を決めている。従ってアルゼンチン戦でもDFラインを深めに設定し、リスクを避けるプランを実践するだろう。しかも勝てば決勝進出である。闇雲に攻撃を仕掛けるとは思えない。

 ただ、守備的MFデヨングが決勝トーナメント1回戦で鼠径(そけい)部に深手を負って、今大会中の復帰が難しくなった(アルゼンチン戦から復帰との噂もあるが…)ため、ピンチの芽を未然に摘み取る選手が見当たらない。当然、アルゼンチンもオランダの弱点を突いてくるはずだ。デヨング不在のエリアはメッシが最も得意とする領域で、自由自在に使える可能性もある。

 しかし、アルゼンチンもまた、負傷者に悩まされている。メッシとともに準決勝進出の原動力となったディマリアが、準々決勝のベルギー戦で大腿部を負傷。オランダ戦には間に合いそうもない。切れ味の鋭いドリブルと豊富な運動量でメッシの負担を軽減してきたディマリアの欠場は、アルゼンチンにとって大きなダメージ。

 また、準決勝ともなるとベンチワークがモノをいってくる。アルゼンチンのサベーラ監督は今回が初の大舞台だ。一方、ファンハール監督は数々の修羅場を潜り抜け、今大会の采配は冴えに冴えている。オレンジ軍団指揮官の、アルゼンチン攻略法、メッシ対策に、抜かりはないとみた。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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2014年7月9日のニュース