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大分傷だらけ降格 主力故障相次ぎ28戦でわずか1勝

[ 2013年10月6日 06:00 ]

<大分・C大阪>J2降格が決まりサポータへあいさつする森島(左から4人目)ら大分イレブン

J1第28節 大分0―2C大阪

(10月5日 大銀ド)
 降格を告げるホイッスルが鳴り響くと、大分の選手はぼう然と立ち尽くした。今季28試合で、わずか1勝(5月18日、アウェーの新潟戦)しか挙げられずにJ2に降格。「俺たちはホームで勝つ大分が見たいんだ!」。試合後、サポーターの切実な声を聞いたFW森島は目頭を押さえた。

 実力差は明らかだった。寄せの甘い守備から、前半33分に先制点を許す。攻撃でも、ペナルティーエリアにすらまともに進入できず、強引なシュートやクロスに終始した。16戦勝利なし。昨季J2の6位からJ1昇格プレーオフを勝ち抜いてはい上がったが、J1の壁は厚かった。

 前回J2に降格した09年に多額の債務超過が発覚し、クラブ再建は道半ば。選手人件費はJ1最低レベルの約4億5000万円で補強には限界があった。「再生のため今季は非常に厳しい道を通ってきた」と青野浩志社長。他クラブで出場機会が減っていた選手を補強したが、故障も相次ぎ最後までメンバーを固定できなかった。

 昨年、Jリーグからの借入金3億円を県民の寄付などで返済し、J1昇格の条件をクリア。しかし、それでもまだ約6億円の債務超過だ。Jリーグのクラブライセンス制度では、15年1月までに債務超過を解消しなければならないが、J2降格で収入減は避けられずハードルは高くなった。

 支援をつなぎ留めるにも、消化試合とはいえ残り6戦が大事になる。「過去は変えられないが、未来と自分は変えられる」と田坂監督。厳しい現実が立ちはだかるが、一歩でも前へ進むしかない。

 ≪ワースト2位6戦残し降格≫最下位・大分の来季J2降格が決まった。大分が残り試合を全勝しても勝ち点28。残留圏内の15位甲府を抜けなくなったために6試合を残して早くも降格決定となった。大分の降格は09年に次いで2度目。残り6試合時での降格決定は昨年の札幌の7試合時に次ぐワースト2位だ。

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2013年10月6日のニュース