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逆転W杯出場へ 鹿島・大迫、関塚監督に雪辱

[ 2013年7月17日 06:00 ]

12年のU23代表練習で関塚監督(右)が見守る前でシュートをする大迫

J1第17節 鹿島―磐田

(7月17日 カシマ)
 鹿島の日本代表FW大迫勇也(23)が17日の磐田戦で苦い記憶を払しょくする。昨夏のロンドン五輪では、アジア予選で主力として活躍しながら本大会メンバーから落選した。当時、自らに失格の烙印(らくいん)を押した関塚隆監督(52)は現在磐田を指揮。20日に開幕する東アジア杯前最後の試合で過去と決別する白星を手にし、W杯に向けた一歩を踏み出す。

 1年以上の時が流れても、心の傷は癒えていない。大迫は敵将・関塚監督に関する質問を受けると一瞬、表情をこわばらせ「良いところを見せたいですね」と言葉を絞り出した。ロンドン五輪後に試合会場で顔を合わせる機会もあったが、会話はなくあいさつを交わした程度。咋オフに鹿島の監督候補に関塚監督の名前が挙がった時には複雑な心境も吐露していた。

 ロンドン五輪は1試合も見ることなく、ニュースなどで関塚ジャパンの映像が流れるとチャンネルを替えた。現在もロンドン五輪に関しては口を閉ざす。その悔しさをバネに成長を続け、15日に発表された東アジア杯メンバーに名を連ねた。10年1月のイエメン戦以来のA代表復帰を前に実現する因縁の対戦は、過去の苦い記憶と決別するチャンス。自らのゴールで関塚ジュビロを倒すイメージはできており「勝つことだけを考えてやりたい。前線でしっかりと起点になって、ゴール前に顔を出せれば結果は出せると思っている」と力を込めた。

 W杯は98年フランス大会決勝のフランス―ブラジル戦をテレビ観戦して以来、憧れてきた舞台。14年ブラジル大会まで1年を切り「W杯はサッカー選手として誰もが目指すところ。大事なのはこれから」とメンバーへの滑り込みを思い描く。

 日本代表の1トップには前田がいるが、大迫はポストプレーに定評があるうえ、エリア内だけではなく遠めからでもシュートを狙える万能ぶりが魅力。過去にも10年南アフリカ大会の本田、06年ドイツ大会の巻らアジア予選で構想外だった選手が登録入りするケースはあり、チャンスは十分にある。五輪の悲劇的落選を経て、W杯での逆転選出へ。サプライズを起こすため、まずは磐田を撃破して“関塚の呪縛”を解く。

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2013年7月17日のニュース