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ブラジル大統領、デモ沈静化要請 民生の充実約束

[ 2013年6月22日 11:04 ]

 ブラジル各地で21日、汚職や物価高騰に抗議するデモが続き、リオデジャネイロなど一部都市で略奪や衝突があった。ルセフ大統領は緊急閣議を開き対応を協議、同日夜の国民向けテレビ演説で教育や医療の充実を約束し、デモの沈静化を求めた。

 ルセフ氏はデモ隊側と近く話し合いの場を設け要望を聞く方針を表明。「ブラジルはサッカー・ワールドカップ(W杯)参加国をしっかりもてなさなければならない」と訴えた。

 一方、最大都市サンパウロの公共運賃値上げに反対しデモを主導してきた市民団体は同日、地元政府が運賃引き下げを発表したことで目的が達成されたとして、デモの呼び掛けをやめる方針を表明した。

 市民側の要求は多岐にわたっているほか、インターネットの交流サイトを通じて若者らが自発的に参加しており、収束に向かうかどうかは不透明だ。

 コンフェデレーションズカップで22日に日本対メキシコ戦を行う中部ベロオリゾンテでも、学生らが警官隊ともみ合いになった。22日には競技場近くでデモが予定されている。

 地元テレビは20日のデモ参加者が全国で計約120万人に達したと報道。同日にはサンパウロ州で車がデモ隊に突っ込み男性1人が死亡したほか、北部ベレンで警官隊との衝突時に清掃作業員の女性(51)が心臓まひで死亡するなど、混乱に関係した死者も出ている。(共同)

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2013年6月22日のニュース