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大宮 残留争い常連から大躍進 浦和撃破でJ新18戦不敗

[ 2013年4月21日 06:00 ]

<大宮・浦和>大宮が18試合連続不敗記録達成!「祝新記録」の横断幕を掲げ喜ぶ大宮サポーターとイレブン

J1第7節 大宮1―0浦和

(4月20日 NACK)
 残留争いの常連だったチームが新たな歴史を打ち立てた。20日、大宮はNACK5スタジアムで浦和と「さいたまダービー」を行い、前半ロスタイムにFWズラタン(29)が挙げた1点を守り切った。昨年から続くリーグ戦連続無敗記録を「18」に伸ばし、09年鹿島の「17」を抜いてJ1リーグ記録を更新。ライバルの浦和をかわして2位に浮上した。

 勝利を告げる笛に大宮イレブンが両手を突き上げた。史上初めて両チームが3位以内で迎えたJ1でのさいたまダービーを制し、昨年から続く連続不敗を18試合に伸ばして新記録達成。勝ち点2差で追っていた浦和をかわし、2位に浮上した。

 前半ロスタイムにズラタンが決勝点。渡辺の左サイドからの折り返しを右足で押し込んだスロベニア代表は「全員で戦い抜いた結果」と笑った。

 残留争いの常連が、優勝を争える力を示した。積み上げてきた組織力にプラスアルファ。それが決勝点だった。相手DF那須が負傷で一時的にピッチを離れた中、渡辺が瞬時の判断で、あえて持ち場の右サイドを離れて左サイドに進入した。「相手が(自分を)捕まえにくければ優位性が生まれる。あの動きでフリーになれた」。意表を突いたひらめきがズラタンのゴールを引き出した。

 かつてスロベニア代表を率い、指導書やDVD作成にも関わってきたベルデニック監督が昨年6月に就任した。9月1日から不敗記録は始まったが、同10日に日本代表などでコーチを務めた小倉勉コーチ(46)が加入したことでチームとしての戦術がより徹底された。市原でコンビを組んだ参謀がクッションとなってプレーの指示や意図がより明確に伝わるようになった。金沢は「一人一人が監督の求めている役割をゲームの中でできている」と語る。今季はさらにもう一段、進化を遂げた。細かく指示する一方で「自分で考えること」の重要性も説く監督に選手が応え始めた。

 浦和対策として豊富な運動量と強い守備意識で序盤からピッチ全体を使ったマンマークで相手から自由を奪った。後半はリスクを避けてあえてラインを下げるなど、選手の判断で自在に守った。押し込まれながらも、守備を束ねる菊地は「回される分には気にしなかった」と慌てなかった。

 不敗記録に無関心を装っていたベルデニック監督だが、会心の快挙達成に「みんなが同じ方向を向いて仕事をしている証だよ」と頬を緩めた。18戦連続不敗は09年鹿島を超えた。「鹿島のようなクラブになるきっかけになるのでは」。J1無冠の大宮が通算16冠の鹿島につながる階段を一歩上がった。

 ≪J2記録は24戦連続≫大宮がさいたまダービーを制して4連勝、2位に浮上した。これで昨年9月1日の浦和戦からリーグ戦18試合連続負けなしを継続。09年鹿島の17試合連続を抜いて連続不敗のJ1新記録を樹立した。ちなみにJ2記録は昨年甲府が記録した24試合連続。2位に10年柏の19試合連続がある。また、大宮のリーグ戦4連勝は05年の29~32節に次いで8年ぶりのチームタイ記録。2位はシーズン開幕戦を除くとクラブ史上初だ。

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