×

「泰史のためになれば」親友から受け継ぐ闘志と背番号2

[ 2012年3月5日 14:57 ]

大宮に新加入し、背番号2を背負うDF菊地光将

J1注目の男 大宮DF菊地光将

 大宮の「2番」が3季ぶりにピッチに帰ってくる。川崎Fから新加入したDF菊地光将(26)が背負うのは親友の闘志。高校、大学時代の同期で一緒にプレーした塚本泰史氏(26)から背番号を受け継いだ。DFとしてJ1通算27試合出場の実績を持つ塚本氏は、右大腿骨の骨肉腫と診断され、10年3月に手術を受けた。昨季限りで選手契約が満了。現在はクラブのアンバサダー(大使)を務める一方、復帰を目指し、リハビリを続けている。

 菊地は加入決定後、クラブから背番号2を打診されて驚いた。「泰史のために空けていた方がいいと思った」。最初は断るつもりだったが、塚本からの「2番がピッチで躍動する姿を見たい。高校、大学で一緒だったあいつしかいない」という希望を受けて承諾。「悩んで悩んで決めた。思いが伝わってきたし、2番を付けることが、あいつのモチベーションになれば」と活躍することでエールを送ることを誓う。2月の東京マラソンで見事完走を果たすなど復活へ一歩ずつ近づいている塚本は「復帰した時には、あいつから2番を奪い返したいですね」と笑顔で感謝を口にした。

 埼玉県出身だけに「地元のクラブに入団できてうれしい」と菊地の新天地に懸けるモチベーションは高い。2月25日に行われたプレシーズンマッチ杭州緑城戦にフル出場し、自信を持つ対人プレーとヘディングで最終ラインの要となれることを塚本だけでなく、サポーターにもアピールした。新潟から加入した韓国代表MFチョ・ヨンチョル、ブラジルの名門サンパウロから移籍したMFカルリーニョスらとともに菊地が活躍すれば、クラブの目標である「勝ち点50以上を」と達成してJ1初となる1桁順位が見えてくる。

 ◇菊地 光将(きくち・こうすけ)1985年(昭60)12月16日、埼玉県生まれの26歳。浦和東高から駒大に進学し、在学中に総理大臣杯と全日本大学選手権で4度優勝。8クラブ競合の末、08年に川崎Fに入団し、同年4月12日の大分戦でデビュー。09年7月18日の神戸戦で初得点。J通算93試合2得点。1メートル82、72キロ。血液型A。利き足は右。

続きを表示

2012年3月5日のニュース