アーセナルでの恩返しを…伊藤　ユングベリとホットライン結成

ユングベリ（左）からアドバイスを受ける伊藤

　“アーセナル・ホットライン”で４強入りだ！第９１回天皇杯全日本サッカー選手権は２４日、準々決勝を行い、清水は長居でＣ大阪と対戦する。公式戦２戦連発と、ここにきて点取り屋の本領を発揮してきたＦＷ伊藤翔（２３）は、１９日に再来日したＭＦフレドリック・ユングベリ（３４）の全面バックアップを受け、３戦連発を狙う。

　今週の練習で、伊藤はユングベリから何度もアドバイスを受けた。ユングベリがボールを持った時のスペースの走り方など細かく指示され、連係も深めた。「走ればボールは出てくる。伸二さん（小野）と同じく、ＦＷにとってやりやすい選手」。１２月に入ってからは３日のＧ大阪戦でプロ初ゴール。１７日の天皇杯・Ｊ２千葉戦でもゴールを決めて２戦連発中の伊藤が、万全の準備に手応えを得た。

　中京大中京高３年だった０６年夏、伊藤はアーセナルの練習に参加した。日本の高校生が英・プレミアリーグの名門クラブの練習に参加するのは異例中の異例。ＧＫレーマン、ＤＦアシュリー・コール、ＭＦピレス、ＦＷアンリ、ファンペルシー…。豪華メンバーを前に緊張しながら練習していた１８歳に「気を使ってくれた」のがユングベリだった。

　「あの時フレディ（ユングベリ）がよく話しかけてくれた。そんな人とまさか清水で再会できるとは思わなかった。最初のころは、あのときのことを覚えていなかったようだけど、話をすると思い出してくれた」

　ユングベリと伊藤が同時にピッチに立ったのは、ともに途中出場だった１０月２３日の甲府戦の５分間。１１月３日の福岡戦での１分間だけだが、２４日はともに先発の可能性がある。５年前の恩返しをするためにも、伊藤がユングベリのパスでゴールを決める。