×

スタートは部員3人…INAC会長「15億円ぐらい」私費も投じ強化

[ 2011年11月13日 11:42 ]

<INAC神戸・AS狭山>優勝を決め、セレモニーで喜びの表情を見せる沢(前列左から2人目)、川澄(同4人目)らINAC神戸の選手たち

なでしこリーグ・第17節 INAC神戸4―0AS狭山

(11月12日 ホームズ)
 創部11年目にしてやっと手にした日本一の称号。「一言では言い表せないくらい感動した」。さまざまな苦難を経験したINAC神戸の文弘宣会長(61)も感慨ひとしおだった。

 米国の総合スポーツクラブ組織に感銘を受けて01年に男子のサッカークラブを設立。地元新聞に300万円かけて告知したが集まったのはたった3人だった。当時のコーチに勧められ女子も設立したが、こちらも3人しか集まらず。だが、関西には女子チームが少なかったことで1カ月後には38人となり、本格的に女子に力を入れ出した。

 転機は1部昇格した06年。リーグ前半戦で全敗。選手の勤務先に事情を説明し、夏からサッカーに専念できる環境をつくった。2部降格をまぬがれ、グループ企業などの非常勤社員という形で実質プロが誕生した。運営費の一部を企業や個人が一口5万円で支える制度や有料試合でマッチスポンサーを募って経費を補うアイデアも文会長が考案した。一方で不足分はポケットマネーから捻出。「15億円ぐらいは使った」という。「まだ第一歩。ここから世界へ羽ばたいてほしい」。名物オーナーの意気は盛んだ。

続きを表示

この記事のフォト

2011年11月13日のニュース