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山田 新司令塔弾!五輪へ“天才”復活アピール

[ 2011年8月11日 06:00 ]

<U-22日本・U-22エジプト>前半、同点ゴールを決める山田

国際親善試合 U―22日本2―1U―22エジプト

(8月10日 札幌ド)
 来年のロンドン五輪出場を目指すU―22日本代表は、MF山田直輝(21)の全得点に絡む活躍でU―22エジプト代表を2―1で下した。1点を追う前半11分に山田が相手のクリアミスを拾って同点弾。同30分にはスルーパスでFW永井謙佑(22)の勝ち越しゴールを演出した。U―22日本代表は9月21日にロンドン五輪アジア最終予選でマレーシアと対戦する。

 身長1メートル66の小柄な司令塔がピッチで躍動した。前半11分、右サイドを駆け上がったDF酒井宏のクロスが相手DFに当たり目の前に転がってきた。そのこぼれ球を山田は右足のアウトにかけてスライス回転させ、今季初ゴールを決めた。「うまく当たって良かった」。浦和のチームメート・原口のケガによる代替招集でつかんだ先発の座。与えられたチャンスで結果を出し一気に波に乗った。

 圧巻は同30分の勝ち越しの場面。「裏に抜けるから(パスを)出して」と永井の要求通りにスルーパスを通した。「永井さんのスピードは分かっていたので、自信を持って強いパスを出せた」と背番号14は会心のアシストに胸を張った。

 ケガを乗り越え復帰した。09年のキリン杯で歴代4位(18歳327日)の若さでA代表デビューを果たしアシストを記録。次世代のエース候補と期待されたが、10年1月のアジア杯最終予選イエメン戦で右腓(ひ)骨骨折。長いリハビリを経て復帰したが8月に再び右腓骨を骨折。度重なるケガに泣かされた。

 今季リーグ戦出場は9試合のみでコンディションはまだ完全に戻り切っていない。だが「日本が(震災で)大変なときに国旗を背負ってプレーする。中途半端なことはできない」と気持ちで戦った。日の丸を背負う使命感も支えになっている。「五輪には絶対に出たいと小学校のときから思っていた」

 斎藤や杉本らは限られた時間でアピールできなかったが、その存在感は抜群だった。関塚監督も「呼んだ選手の中で一番機能していた」とべた褒めだった。この日は山田を目当てに海外クラブのスカウトも視察に訪れた。関塚ジャパンの最終予選に安心材料が増えた。

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2011年8月11日のニュース