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新エース!興梠、貫禄2発で4年連続決勝T進出

[ 2011年5月4日 06:00 ]

<鹿島・上海申花>前半、オーバーヘッドでゴールを狙う鹿島・興梠

ACL1次リーグH組 鹿島2-0上海申花

(5月3日 国立)
 ACL1次リーグH組の鹿島は3日、国立競技場で上海申花(中国)に2―0で快勝。シドニーFC(オーストラリア)が水原(韓国)に敗れたため、4年連続の決勝トーナメント進出が決まった。FW興梠慎三(24)が前半32分に頭で先制ゴール。後半35分には左足でネットを揺らし、2得点の活躍で原動力となった。

 鋭い嗅覚でボールをとらえた。0―0の前半32分、左サイドからの小笠原のFKに興梠が反応した。ゴール前に走り込み頭を振ると、額に当たったボールがGKの股の下を抜きネットを揺らした。4月13日のシドニーFC戦以来の得点で勢いに乗ると、後半35分にはフェリペ・ガブリエルのシュートのこぼれ球を左足で押し込み2点目。4年連続の1次リーグ突破の立役者となり「1点目は越えるかなと思ったけど、ジャンプしたら当たってくれた。2点目は角度がなかったので思い切り打った」と胸を張った。

 試合前には、福島第1原発事故の影響で都内のホテルに避難中の福島県の子供たちが「フェアプレーフラッグ」を手に入場。その家族も会場に駆けつけていた。放射性物質や風評被害に苦しむ人々のつらさは興梠にとって人ごとではない。故郷の宮崎県では近年、口蹄疫や鳥インフルエンザなどの問題が発生。宮崎市内で鶏肉店を経営する興梠の実家も風評被害に苦しんでおり、痛みは理解できた。被災者の観戦する前で2得点。風邪をひき体調が万全ではない中で結果を出した。

 因縁の相手だった。09年5月19日の上海申花戦では、ラフプレーを受け胸を強打して長期離脱。この日、後半14分に激しいチャージで倒された際には、頭に血が上り相手の足を蹴り警告を受けた。首位通過が懸かる10日のシドニーFC戦(国立)は累積警告で出場停止となるが「気持ちを抑えられなかった。反省しています。次は出られないけど、他の選手がやってくれると思う」と前を向いた。

 チームは今季公式戦9試合で計13得点しているが、FWの得点は5。昨季まで在籍したマルキーニョスの穴を埋めることが最重要課題に挙がるだけに、新エース興梠の爆発が持つ意味は大きい。

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2011年5月4日のニュース