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川崎Fレナチーニョ無断帰国…退団濃厚に

[ 2010年8月20日 06:00 ]

15日の広島戦でスタンドからさみしく試合を見つめる川崎F・レナチーニョ

 初タイトルを目指す川崎Fが緊急事態に陥った。首位・名古屋に4発大勝してから一夜明けた19日、FWレナチーニョ(23)がクラブに無断でブラジルに帰国。このまま退団することが濃厚となった。同選手は今季チーム最多の7得点をマークしているが、起用法への不満から練習をボイコット。ベンチを外れた18日の名古屋戦(等々力)も姿を見せていなかった。

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 あまりに突然、そして身勝手な帰国劇。それは、練習前の緊急ミーティングで選手に事情を説明してから報道陣に対応した庄子春男強化部長(53)の言葉にも如実に表れていた。
 「レナチーニョの件ですが…きょうの午前中にブラジルに戻ったようです。旅行代理店に確認したら、(予約を入れた飛行機に)チェックインしている、と。だから、乗ったんでしょう、ということです」
 レナチーニョは8日のC大阪戦(金鳥スタ)で出番がなかったことに不満爆発。チームと一緒に移動するはずだった翌9日の新幹線に乗車せず、10日のオフを挟んだ9、11、12日の練習をいずれも無断で欠席した。13日には一転「ゴメンネ」とチームメートの前で謝罪。推定100万円の罰金を科された上で別メニューでの練習も行っていた。だが、17日に高畠勉監督(42)から調整不足を理由に18日の名古屋戦(等々力)、21日の新潟戦(東北電ス)もベンチ外であることを通告されると再び激怒。ついに無断での帰国となった。
 レナチーニョとの話し合いを持った17日以降、直接、本人とは接触できていないという庄子強化部長は「(まともな)話し合いになるような精神状態ではなかった。ほとんどケンカ腰」と17日の会談を振り返り、チーム得点王の幼稚な行動にあきれ顔。今後については、現時点ではどこからもオファーがないことを明かした上で「どこかに移籍するか、うちに残るかで話を進めていく。このまま退団ということはないと思うが、先々そういうこともゼロではない」と退団の可能性を否定しなかった。チームは現在6戦負けなしで、前夜は首位・名古屋を4発撃破したばかり。残る選手に動揺は見られないが、上げ潮ムードのチームに水を差す、まさかの“造反”となった。

 ≪過去のドタバタ退団≫
 ☆FWイルハン(神戸) ケガの治療を理由に04年6月、自宅のあるドイツに無断で帰国。怒りのクラブがそのまま戦力外を通告し、退団。
 ☆FWエメルソン(浦和) Jリーグ中断期間中の05年6月、ブラジルに帰国したまま再来日せず、カタールのアル・サードと勝手に契約し、退団。
 ☆FWマグノアウベス(G大阪) 07年11月に突然、練習を無断欠席し、ブラジルに帰国。サウジアラビアのアル・イティハドと勝手に契約し、退団。

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2010年8月20日のニュース