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ひらめきV弾!“世界の遠藤”へ名乗り

[ 2008年12月15日 06:00 ]

<G大阪・アデレード>前半23分、先制点を決めたG大阪・遠藤保仁(7)はアシストの播戸竜二と肩を組んで喜ぶ

 トヨタ・クラブW杯は14日、豊田スタジアムで準々決勝1試合を行い、ACL王者のG大阪が1―0でアデレード(オーストラリア)を下した。ACLのMVPにも輝いたMF遠藤保仁(28)が前半23分に奪ったゴールを守り抜き、昨年の浦和に続いて準決勝進出。18日の準決勝では、MFクリスティアーノ・ロナウド(23)を擁する欧州王者のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)と対戦する。

【試合結果


 アジアNo・1の司令塔が世界への第一歩をしるした瞬間だった。前半23分、二川のゴール前右への浮き球を播戸が頭で中央に切り返すと、そこに左サイドから走り込んできたのが遠藤だった。右足で放ったダイレクトシュートはGKガレコビッチの股間を抜けてゴールネットへ。「二川に渡ったときにイメージがわいた。(GKが)飛び込んでくると思ったけど止まったから。狙い通りだった」。ゴール裏へ走り、ピースサインで先制ゴールを喜んだ。

 前半20分に佐々木が負傷交代し、急きょ2トップに変更。過去2度の対戦で相手を圧倒した4―5―1のシステムを捨て、播戸を投入する緊急事態となった。それだけに、そのわずか3分後の決勝ゴールは値千金。ACL決勝の2試合に続いてアデレードの挑戦を退け、チームを世界の4強に導いた立役者は「勝てたことが一番」と屈託のない笑顔を振りまいた。

 ACLでは3ゴール8アシストでMVPを獲得。アジアにその名を知らしめ、いまやMF中村(セルティック)と肩を並べる名プレーヤーへと上り詰めた。しかし、世界レベルでは「ENDO」の名は浸透していない。「個人で良かった悪かったはどちらでもいい」とフォア・ザ・チームを強調していたが、この日の芸術ゴールで「世界のENDO」へまた一歩近づいた。

 18日の準決勝では、ついにマンチェスター・ユナイテッドと激突する。G大阪イレブンにとっては、超攻撃スタイルのお手本として移動のバスや遠征先での食事中に試合映像を目に焼き付けてきた世界屈指の強豪だ。今季のバロンドール(欧州最優秀選手賞)を受賞したC・ロナウドやイングランド代表FWルーニー、京都時代に1年間共にプレーしたFW朴智星(パク・チソン)らそうそうたる顔ぶれがそろうタレント集団。それでも、アジアNo・1司令塔の頭の中には「勝利」の2文字しかない。

 「世界一のチームですから。こっちがビビるのが一番いけない。勝てばみんなスターになれる。日本中を沸かせられれば」

 誇り高き司令塔の目は、世界の頂点へと向けられている。

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2008年12月15日のニュース