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オランダ速攻!30年ぶりイタリアに完勝

[ 2008年6月11日 06:00 ]

スナイダー(10)のゴールを喜ぶオランダのファンデルファールト(左)とヨンク

 【欧州選手権 オランダ3-0イタリア】揺れた。客席の8割を埋めたオレンジ色のサポーターが得点ごとに地鳴りのような歓声を響かせた。30年ぶりのイタリア撃破。オランダのファンバステン監督は言った。

 「歴史的な偉業だ。相手はイタリア。世界王者だ。こんなスコアで勝ったことはなかっただろ」

 過去15戦で2勝6分け7敗だった06年W杯覇者に完勝。78年W杯以来の美酒に指揮官が酔った。

 絵に描いたような速攻が歴史の扉を開いた。1―0の前半31分。左サイドを駆け上がったファンブロンクホルストが逆サイドにロングパス。カイトが頭で落とし、スナイダーが難しいバウンドに合わせて右足を振り抜いた。相手CKのこぼれ球を拾ってからのタイムは14秒8。24歳の誕生日を自ら祝ったMFは決定的な2点目に「完ぺきだ」と笑った。

 後半34分のダメ押し弾もGKファンデルサルが相手FKをはじき、ボールを確保してから18秒4で決めた。相手のお株を奪う堅守からの速攻がさえた中、得点の場面以外でも好機を築き続けた。両ウイングを生かした4―3―3が伝統だったが、主力の直訴を受けた指揮官が今年から4―2―3―1に修正。この日はロッベンとファンペルシーの両サイドを故障で先発から欠きながら、展開力が高いスナイダーら2列目の3人がサイドにこだわらない攻撃を生んだ。

 「最後まで機能的なサッカーができた。チームとしての勝利だと思う」
 今大会限りで退任する指揮官が歴史的な勝利とともに「死の組」制圧への大きな手応えを得た。

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2008年6月11日のニュース