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全開40分!パワーアップしたオシム節

[ 2008年6月5日 06:00 ]

岡田ジャパンについての質問をさらりとかわすオシム氏

 日本代表前監督のイビチャ・オシム氏(67)が日本サッカー協会(JFA)とアドバイザー契約を結び、4日に東京・本郷のJFAハウスで行われた会見に出席した。昨年11月に脳梗塞(こうそく)で倒れてからは初めての会見だったが、約40分間しゃべりっぱなし。オシム語録を随所に交え、日本サッカーへの提言から、代表監督復帰への思いも語った。

 昨年11月16日に倒れてから201日。ウイットに富んだ言葉はパワーアップしていた。テレビカメラ7台、104人の報道陣が詰めかけた会見では「向こう側の世界まで行って、戻ってきました」とあいさつ。脳梗塞の影響で左腕など左半身にマヒが残るが、いきなり毒の効いた“オシム語録”で会場を沸かせた。

 JFAがオシム氏に求めるのは(1)指導者養成と若い世代の選手育成に関するアドバイス(2)海外のさまざまな情報の提供の2点で、契約は12月いっぱい。田嶋専務理事は「代表チームにはかかわらない契約」と説明したが、オシム氏は自分の存在が日本代表に影響を与えると考えている。「引き受けたのは、いい方向への変化を与えようと思ったから。残念ながら病気で(代表監督の)仕事を続けられなくなった。その分、別の形で貢献したい」。日本代表への思いは病に倒れる前と何ら変わっていない。

 岡田監督に対する質問は「私が後任の印象を述べるときは(質問者と)深く知り合いになってから」とかわしたが、日本サッカーへの提言は言わずにいられなかった。「モダンサッカーの方向はスピードアップ。判断のスピード、走るスピードを高めることで、速いプレーが可能になる」。あらためて“考えながら走る”重要性を説いた。

 代表監督復帰の可能性はないが「ベンチに座りたいという気持ちはある。でも、ベンチで死にたくないというのもある」と少しだけ未練をのぞかせた。川淵キャプテンが「若手の指導から代表に至るまで、いい影響を与えてくれると確信している」と期待する老将の“復帰”は、日本サッカー界にとってプラスになるはずだ。

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2008年6月5日のニュース