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寿人が決めた!J2初だ広島V

[ 2008年3月2日 06:00 ]

<鹿島・広島>PK戦に勝利し喜ぶ佐藤(中)久保(右)ら広島イレブン

  【広島2-2鹿島、PK戦4-3】ゼロックス・スーパーカップは1日、東京・国立競技場で行われ、J2に降格した広島がJ1王者の鹿島に劇的な勝利を収めて優勝した。0―2の劣勢から残り10分でFW久保竜彦(31)、FW佐藤寿人(25)が連続ゴールして2―2の同点。土壇場で突入したPK戦を4―3で制した。J2勢の優勝は大会初。広島は1年でのJ1復帰に向け、力強く1年のスタートを切った。

  PK戦最後の5人目。J2勢初の優勝を決めるボールがネットに突き刺さると、佐藤寿は満面の笑みで仲間たちの歓喜の突進を受け止めた。「最初から5番目に蹴らせてくれって言ってあった。だってヒーローになれるじゃないですか」。ヒーローインタビューでは「魂、込めました」とコメント。1度は止められたPKがやり直しとなり成功したのは、佐藤寿の執念あればこそだった。

 勝利に飢えていた。2点のビハインドにも「我慢強く」と自分に言い聞かせ、強い思いで試合の流れを変えた。後半35分に久保のPKで1点差とし、40分に自らのヘッドで同点。PK戦の末につかんだ優勝は市原―C大阪―仙台―広島と移籍した佐藤寿にとって初のタイトルだ。

 仙台時代に続く自身2度目のJ2降格。J1への移籍という選択肢もあったが、降格当日にサポーターの前でチーム残留を宣言。双子の兄・勇人(京都)らの説得にも耳を貸さなかった。奈央夫人は「本当にいい人」と夫を評し、勇人は「そういうヤツなんだよね」と一本気な弟の決意に目を細めた。

 「J2だとスポットライトが当たることは少ないと思う。だからずっとトップでいたい。喜ぶのはきょうまで」。あくまで目標はJ2優勝、そして1年でのJ1復帰だ。「カテゴリーは違うけど、しっかり得点していけば岡田監督の目にも留まると思っている。クラブで活躍した先にブルーのユニホームがある」。佐藤寿の辞書にあきらめるという言葉はない。

 ≪久保 ひょっとこ以来弾≫横浜FCから6年ぶり広島にに復帰した久保が、反撃ののろしとなる1点を決めた。後半12分から途中出場し、35分に自ら倒されて得たPKをやり直しの末、成功。本来のキッカーである佐藤寿を制し、あの“ひょっとこ弾”以来1年ぶりの公式戦ゴールを決めた久保は「もらった自分が蹴ろうと思った」とはにかんだ。「今は1年通してやれることを考えている。頑張ります」と表情も明るかった。

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2008年3月2日のニュース