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内村 絶対1位通過!日本食決起集会で「和」確認

[ 2012年7月28日 06:00 ]

練習会場に到着した内村(右は加藤)

 V奪回へ日本食で団結だ。体操の男子団体総合で04年アテネ五輪以来の金メダルを狙う日本代表は28日、ノースグリニッジ・アリーナで予選に臨む。26日の夜にエースの内村航平(23=コナミ)ら選手、スタッフ全員が集まり、ロンドンの選手支援拠点・マルチサポートハウスで“決起集会”を開いていたことが27日、分かった。日本人シェフが作ったおいしいディナーでエネルギーを充てんし、体操ニッポンが出陣する。

 おいしい日本食が、好演技への活力になる。舌鼓を打ちながら仲間と交わす会話が、チームワークをさらに強固にする。26日夜、内村ら体操ニッポンがマルチサポートハウスに集まって“決起集会”を開いた。森泉貴博コーチ(41)は「選手側からの要望。おいしい食事を取りたいということだった」と明かした。

 選手村でも日本食は提供されているが、一番の違いが米だ。選手村の米はパサパサで口に合わない選手もいるという。選手村から徒歩10分のマルチサポートハウスには日本米があり、26日は「五目炊き込みご飯」の他に、「さつまいもの黄金蒸し」という縁起メニューも。偏食で知られ、現地入りしてからも「マクドナルドのお世話になっています」と笑っていた内村だが、日本食でエネルギーを補充した。

 28日の団体総合予選を前に、27日は練習会場で最終調整。試合前日としては異例なほど、内村は入念に体を動かした。「こんなに前日に動いたことはないですね。あした(28日)ちょうどよくなるかなと思って」と余裕の笑みを浮かべた。28日の団体総合予選に向け、戦略は明白だ。森泉コーチは「絶対に1位通過しないといけない」と04年アテネ五輪と同様に、トップでの決勝進出を厳命した。

 団体総合は予選の得点を決勝には持ち越さないが、1位通過することで金メダル奪回が近づく。「予選から日本は強いって審判にアピールしたい」と同コーチ。圧倒的な演技でジャッジに好印象を与える他に、1位通過は体力的にも有利に立てる。決勝は予選1、2位の2チームで回り、最初の種目の床運動は1位が先、2位が後に行い、種目が変わるごとに順番を入れ替えて演技(別表参照)。1位で通過すると種目をまたいで連続で演技する機会は2回だが、2位通過の場合は3回になる。「体力的なことを考えても、絶対に1位通過」と森泉コーチは話した。

 世界選手権の個人総合で3連覇を達成している内村にとって、今大会の最大目標は団体総合の金メダル奪回。予選も決勝も、全6種目にスタンバイだ。「ここまで調子がいいのは初めてかもしれない。あした(28日)は自分をコントロールできるようにしたい」。絶好調宣言の万能キングが、団体の頂点を目指して出陣する。

 ▽マルチサポートハウス 文部科学相委託事業「チームニッポンマルチサポート事業」によって、今大会より選手村の村外近郊に設置された施設のこと。メダルが期待されるトップレベルの選手がより確実にメダルを獲得するため、多方面からの専門的かつ高度な支援を戦略的・包括的に実施。主なサポート内容としては映像分析、情報戦略、コンディショニング対策、ミーティングスペースの提供などがある。

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2012年7月28日のニュース