【マイルCS】ダイワメジャー産駒セリフォス記録ずくめ“連覇”なるか

[ 2023年11月17日 05:26 ]

昨年のマイルCSを大外から豪快に差し切ったセリフォス(左)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、京都競馬場でマイルチャンピオンシップが行われる。06、07年とこのレースを連覇したのがダイワメジャーだ。04年の皐月賞など、G1を5勝した名馬だが、何かとエピソードには事欠かない馬だった。

 デビューしたのは03年の暮れも押し迫った中山競馬場。シンボリクリスエスがラストランの有馬記念を9馬身差で快勝したのと同じ日に行われた新馬戦だった。なんとこのレースで、ダイワメジャーはあろうことか、パドックで寝転んでしまったのだ。管理していたのは上原博之師。当時、次のように語っていた。「お恥ずかしい限りで、その後はしばらくパドックで寝転ばないようにするため、スタッフを乗せて周回するようにしました」

 皐月賞は10番人気の低評価をあざ笑うかのように勝利した。しかし、その後、喘鳴(ぜんめい)症(喉の疾患)により力を発揮できない競馬が続くと、陣営は手術を決断。これが奏功し、06年には天皇賞・秋を制覇。喉の手術をした馬がJRAのG1を勝つのは、これが史上初めてと話題になったものだ。

 冒頭で記した通り07年にはマイルチャンピオンシップ連覇を成し遂げたわけだが、その直前に走った天皇賞・秋では9着に敗れ、連覇を逃していた。「外枠でいつもの先行策を取れなかった上に、最後の直線でも馬体をぶつけられたり、前が詰まったりと、再三不利があり、連覇とはなりませんでした。それだけに、力を発揮できればやはり強いというところを、マイルチャンピオンシップ連覇で証明してくれたのはうれしかったです」。後に上原博師は当時の心境をそう語っている。

 さて、今年のマイルチャンピオンシップにはセリフォスとマテンロウオリオン、2頭のダイワメジャー産駒が登録をしている。特に前者は阪神競馬場で行われた前年の覇者であり、異なる競馬場での連覇と、史上初の父子による同一G1連覇が懸かっている。果たしてそんな偉業が達成されるのか、週末は淀のマイル戦に注目したい。 (フリーライター)

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