【福島新馬戦】国枝厩舎、期待の長距離砲ボスジラが出陣

[ 2018年7月20日 05:30 ]

洗い場で担当の福田好訓助手に甘えるような仕草をみせるボスジラ(撮影・郡司 修)
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 夏の福島最終週にうわさのディープインパクト産駒がデビューする。クロフネのおいっ子にあたるボスジラが土曜5R新馬戦(芝2000メートル)にスタンバイ。3冠牝馬アパパネや今春の2冠牝馬アーモンドアイなどで知られる国枝栄師(63)期待の長距離砲が、来春のクラシックへ第一歩を刻む構えだ。

 ステイヤーらしい、ゆったりとしたストライドを伸ばす芦毛。ボスジラのそんな動きを双眼鏡で追いながら国枝師が懐かしい馬名を口にした。「まるでキッツだな」。ボスジラはクロフネのおいっ子にあたるディープインパクト産駒だが、その性能は父にも伯父にも似ていない。自ら育てた09年春の天皇賞馬マイネルキッツを想起させた。

 「ディープみたいに飛ばないし、自分からサッとハミを取って動けるタイプでもない。要するに渋いんだ。その代わり、スタミナがあって長い距離は向いている。だからキッツタイプ。もっとも、この兄たちはみんなそうみたいだよね」。昨年の菊花賞で3着に好走した全兄ポポカテペトルのような長距離砲をイメージしているのだ。

 長距離適性を考慮して夏の福島開催唯一の芝2000メートル新馬戦に照準を定めてきた。18日の最終追い切りではヒラボクプレミアム(3歳未勝利)の6馬身後方から480キロ前後の馬体を伸ばして馬なりのまま併入。「先週はモタつき気味だったが、いい感じになってきた。ディープ産駒でものんびりしていて、気持ちが高ぶらないのがいいね」。気性も長距離仕様だ。

 国枝厩舎の2歳勢は今年もレジェンド藤沢和厩舎と双璧をなす陣容。次の新潟開催にもディープインパクトの良血3頭がデビュー予定だが、長距離適性にかけてはボスジラが一番。ディープインパクトもクロフネも所有した金子真人ブランドの結晶のような血統。来年のダービー、菊花賞に夢が広がる。カザフスタン西部の景勝地として知られる白亜の大地から命名された芦毛馬。その被毛(ひもう)が加齢とともに灰色から白亜に変色する頃がボスジラの完成期だ。「先々まで楽しめる血統。使っていくうちに目覚めるはずだ。キッツみたいね」。国枝師は双眼鏡で芦毛の動きを追いながらつぶやいた。

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2018年7月20日のニュース