【日本ダービー】マジェスティ生産者・服部氏、運命の血縁

[ 2016年5月23日 05:30 ]

当歳時のディーマジェスティ(服部牧場提供)

 ディーマジェスティを生産した服部牧場(北海道新ひだか町)はスタッフ8人、繁殖牝馬27頭の家族経営の牧場。1957年に創設され、現在は3代目の服部健太郎氏(40)が仕切っている。同牧場にとってマジェスティの皐月賞優勝は、96年イシノサンデーの皐月賞以来20年ぶりのG1制覇。「“クラシックに出る馬を”と思ってやっていますが、なかなか巡ってくることでもない。ありがたいこと」と服部氏。

 マジェスティと服部氏との縁をさかのぼると、アイルランドにたどり着く。同国の牧場で研修していた際に携わったのが、マジェスティの母の母シンコウエルメスの全妹イマジン。同馬は01年の英オークス馬で、半兄に91年の英&愛ダービー馬ジェネラスを持つ世界的名血。「大好きな血統でしたから、いつかは手掛けたいという思いはありました」。この縁で、嶋田賢オーナーがその血を引くエルメスティアラを繁殖牝馬として購入した際に「やってみたい」と話し、服部牧場にけい養されることになった。

 ティアラは13年3月24日にマジェスティを出産。「兄姉は小さかったが、スケールが大きく出たので“これは楽しみ”と感じました」と振り返る。ダービー出走18頭中12頭が大牧場、社台グループの生産馬。服部氏は「立ち向かう、という気持ちは本当にないんですよ。まずは無事に出走してほしい。今はそれが一番です」と祈るように話した。レース当日はスタッフを連れ、府中で精いっぱいの声援を送るつもりだ。

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