【日本ダービー】オーディン ローテより経験、松田師3度目Vに自信

[ 2016年5月23日 05:30 ]

坂路を軽快に駆け上がるスマートオーディン

 さあ、ダービーウイーク!!近年屈指の豪華メンバーが集結した競馬の祭典「第83回ダービー」(29日、東京)。02年タニノギムレット、04年キングカメハメハで2度美酒を味わっている松田師が、メンバー最多の重賞3勝を誇るスマートオーディンで3度目の頂点を目指す。前哨戦に師と好相性のNHKマイルCではなく、京都新聞杯を選択。未体験だったコーナー4回の競馬も難なくクリア。22日に行われた日曜追いでも、スムーズな折り合いを見せ好調をアピール。ダービーを勝つノウハウを知り尽くす指揮官は、距離対応への自信を増幅しての再東上となる。

 顔を出したばかりの太陽に照らされた朝一番の坂路に、スマートオーディンが姿を見せた。いつものようにまずは脚慣らしの1本。その後、じっくりと体をほぐしてから、再び坂を駆け上がった。序盤はゆったりと。ラスト1Fを切って少し促されるとスムーズに加速して、4F57秒5~1F12秒1を刻んだ。松田師は納得の笑みを浮かべる。

 「道中はこぶしを上げることなく折り合えたし、最後の1Fもスッと動けていましたね。調教メニューにしっかりと付いてきてくれているし、順調に来ています」

 厩舎の偉大な先輩、クロフネやタニノギムレット、キングカメハメハが歩んだNHKマイルC→ダービーの“マツクニローテ”を選ばず、前日に行われた京都新聞杯から大一番へ。なぜNHKマイルCを使わなかったのか!?多くのファンが抱いたであろう疑問に、指揮官は丁寧に答えた。最大の理由はコース形態だ。

 「デビューからずっと、(コーナー2つの)1800メートルを使ってきましたし、1~2角の走りは大丈夫なのかと…。懸念材料は払しょくしなければいけませんからね」

 クロフネ、ギムレット、キンカメの3頭はダービー以前にコーナー4つの競馬を経験していた。それに対して未経験のオーディンは前哨戦で試し、かつスムーズにこなしておく必要があったのだ。その京都新聞杯は勝負どころで大外を回しながら、着差以上の完勝。当然、指揮官のオーディンへの期待は増すばかりだ。

 「もしNHKマイルCを同じような内容で勝っていても、戸崎さんは“ダービーでうまくいくだろうか”と思ったはず。でも、2200メートルで結果を出せたことで、“これなら大丈夫”と思えたんじゃないでしょうか。ジョッキーが自信を持てたのは大きいですね。守りに入ることなく、ダービーに向かえると思いますよ」

 ダービー2勝トレーナーの一言一言には重みがある。目先のG1にとらわれず、課題を丁寧にクリアしたスマートオーディンが、指揮官にダービー3勝目を届ける。

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