菜七子ついに初勝利&連勝!浦和でスマイル満開「一生忘れない」

[ 2016年3月25日 05:30 ]

アスキーコードで初勝利を飾った藤田は笑顔でガッツポーズ

 JRA16年ぶりの新人女性騎手・藤田菜七子(18)が24日、初参戦となった地方・浦和でついに初勝利を挙げた。3Rのアスキーコードで最内枠を生かしての逃げ切り勝ち。続く6Rも好位差しで連勝と勝ち星を積み重ね、場内のファンを沸かせた。この日は自身最多の7鞍に騎乗し、2勝2着1回と大活躍、約20万円を稼ぎ出した。JRA初勝利に向け、大きな自信をつけた。

 待ちに待った菜七子スマイルが全開だ。その瞬間は浦和3R。「3月24日正午すぎ」にやってきた。以前から「自分でレースをつくれるから好き」と言っていた言葉通り2番人気のアスキーコードを駆っての逃げ切りでついに、ついに先頭でゴール板を駆け抜けた。

 3日の川崎デビューから中山、高知、中京、中山…と重ねてきた経験に加え、この日はもう一つ何かが違った。それが何が何でも勝つ、という執念。3Rは1番枠から好スタートを決めると必死に手綱を動かしてハナを奪取した。これまでは外から馬が来ると引いて好位に構えていたがハナを譲らなかった。中央に比べて地方はコースの幅員が狭く、小回り。勝つためには先行した方が確率が高くなるのは当たり前のことだ。それを気持ちと行動で実践してみせたのが騎手としての着実な成長ぶりだった。

 道中は2番手以降を引きつけ絶妙なペース配分。手応え十分に4角を通過。ベテランなら勝利を確信して落ち着いて追いだしをかけるが、そこはご愛きょう。一心不乱に激しいアクションで体を動かすといつの間にか後続を2馬身突き放していた。2着ミカドウェザリアの鞍上は的場文男(59)。年の差41歳のワンツーフィニッシュでレース後には馬上でハイタッチを交わした。

 36戦目(中央22鞍、地方14鞍)での記念の1勝に、菜七子は「ゲートから絶対に逃げると決めていた。本当にうれしい。まずは初勝利を両親に伝えたい」と会心の笑顔。

 肩の荷が下りた菜七子は続く6Rの4番人気ウインアンビションでは冷静な好位差しで連勝と勢いで2勝目をもぎとった。“1日2勝”は歴代JRA女性騎手としては初の快挙。師匠の根本師は「分からないことばかりの中で、果敢に経験を積もうとしているのはいい。金沢からも来てほしいと言われているし、これははじめの一歩」と愛弟子の成長に目を細めた。

 レース後の会見で根本師から花束を受け取った菜七子。「勝った直後にファンの方から温かい言葉を掛けていただいて、正直うるっときた。きょうという日は一生忘れないと思います」と顔を紅潮させた。週末は中山で9鞍に騎乗予定。次はJRA初勝利へ。菜七子が浦和で大きな一歩を踏み出した。

 ▼酒井師(初勝利馬の調教師)4角を回ったところできょうは勝てると思った。調教師控室で見ていたが、部屋にいた皆で大騒ぎで応援していた。この馬で初勝利いけるかなと狙っていたし、藤田騎手の初勝利ということは光栄です。

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