【高松宮記念】ハクサンムーン理想ラップ 徐々に加速し54秒3

[ 2016年3月25日 05:30 ]

坂路で加速するハクサンムーン

 ほとんどの馬が調教を終える午前10時50分過ぎ。静寂に包まれた坂路にハクサンムーンが姿を現した。周りに馬がいるとテンションが上がってしまうため、これがいつものパターン。残り400メートルで仕掛けられるとグングン加速。左ムチを入れられるとさらに脚を伸ばし、4F54秒3でフィニッシュ。最初の1Fを15秒2で入ると14秒4、12秒5そしてラスト1Fは12秒2と徐々に速いラップを刻む理想的な時計をはじき出した。

 見届けた西園師は「しっかり仕上がっている。体の張り、元気の良さは昨年以上。気性の激しさも若い頃と変わらないね」と状態に太鼓判。「この馬には時間がない。何とか結果を」と力強く言葉をつないだ。

 高松宮記念は4度目、G1は8度目の参戦。13年スプリンターズSはロードカナロア、昨年のこのレースは香港馬エアロヴェロシティに悲願を阻まれ2着2回。今年7歳。競走馬として残された時間は、そう長くはない。トレーナー以上に力が入っているのは、鞍上の酒井だ。

 「2着の時、厩舎スタッフが目を真っ赤にして悔し涙を浮かべて馬を出迎えに来るんです。その涙をうれし涙に替えたい。もう、2着は要らない。これまでのG1の中でも、思いは一番強い」

 快速馬がそろい、先行争いも注目の的。「スピードではどの馬にも負けないが、戦法は当日の馬場傾向を見極めてから決めたい。この馬には経験値もある」と柔軟に対応する構え。出来の良さと陣営のすさまじいまでの気迫。その相乗効果で、夢のタイトルを手に入れてみせる。

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2016年3月25日のニュース