【根岸S】寺井助手最後の“ささやき”トネール絶好調

[ 2016年1月29日 05:30 ]

 【東西ドキュメント・栗東=28日】「今週はこの馬がいいぞ」――。寺下は、その力強い“ささやき”に何度も助けられた。セリフの主は、鮫島厩舎の寺井千万基助手(64)だ。定年を間際に迎えた仕上げ人は、今週が最後の調教騎乗となる。調教スタンドでバッタリ会ったとき、今の心境を聞いた。

 「やり切ったかな。アホなこととか言いながらも体はそこら中、痛い。馬に乗ってきたのは家族のため、そして厩舎のため。まあ、でも今の厩舎でG1を獲れなかったのは心残りかな」

 水曜には根岸Sに出走するタガノトネールの最終追いに騎乗。「ここが本番のつもりでやった。絶好調」と入魂の仕上げを約束。助手に転向する前は、障害19勝のグランドマーチスの主戦を務めた。引退後はかつてのパートナーの墓参りに行くという。「4月ぐらいかな。岩手の遠野にあると聞いているが、場所は自分で探したい。旅だからな」。競馬界のレジェンドのすがすがしい表情が格好良かった。

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2016年1月29日のニュース