【天皇賞・秋】エイシンヒカリ低重心12秒0 武豊「ラスト凄くいい」

[ 2015年10月29日 05:30 ]

武豊を背にCWコースで追い切るエイシンヒカリ

 28年ぶりの偉業へ、エイシンヒカリが“逃げ切り態勢”を整えた。「第152回天皇賞・秋」の追い切りが28日、栗東トレセンで行われた。前哨戦の毎日王冠を制したエイシンヒカリは武豊を背にCWコースでリラックスした走り。きっちり折り合いラスト1F12秒0でまとめて上々の伸びを見せ、87年ニッポーテイオー以来となる逃げ切りVのシミュレーションを終えた。なお、同レースの出走馬、枠順は29日に確定する。

【天皇賞・秋】

 エイシンヒカリが万全の予行演習を披露した。CWコースで6F83秒3~1F12秒0。首をしっかり使った重心の低い走りで最後まで推進力十分だ。武豊が「難しい馬」と繰り返すように時に気難しい面を見せるが、この日は実に優等生。名手は「思いのほか前半ゆったり走ってくれたし、ラストは凄くいい走り。状態はいいと思う」と好感触を伝えた。

 坂口師も「年齢を重ねて大人になってきたし、あたりが柔らかい豊も合っている」と人馬一体の走りに満足げ。1年前のアイルランドTでは外ラチまでぶっ飛ぶ仰天Vでファンの度肝を抜いたが、コンビ3戦3勝の武豊は「僕が乗った時はいつもまっすぐ走ってくれたから」といいイメージのまま臨む。

 ここまで9戦8勝。デビュー戦以外は全て逃げとスタイルが確立されているが、天皇賞・秋の逃げ切りは2000メートルとなった84年以降で87年ニッポーテイオー1頭しかいない。ましてやヒカリはG1初挑戦。陣営もその難しさは分かっている。武豊は「2000メートル自体は問題ないが逃げ馬が苦戦しているレース。厳しいレースになると思う」と控えめに話し、師も「2000メートルで58キロは課題。見せ場はつくってくれると思うが…」と歯切れは悪い。しかし、人気の逃げ馬陣営が「どんとこい」などと後続を“挑発”する必要はない。期待はもちろんある。

 春・秋合わせて天皇賞50回目の騎乗(11勝)となる盾男は「これまでの成績が素晴らしいし、一戦一戦強くなって一つずつクリアしてくれた。おそらく逃げることになるだろうし、他の馬より自分との闘い」と愛馬の全能力を引き出すことに集中する。オープン特別、G3、G2と一歩ずつ階段を上がってきたヒカリ。追い切りで見せた人馬一体の走りをレースでもできれば、もう一つ上のステージにもたどり着けるはずだ。

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