【秋華賞】テンダリーヴォイス 悪癖「グイ」を矯正、カイバもりもり

[ 2015年10月15日 05:30 ]

調教以外の時間はヘアバンドのような矯正器具を装着するテンダリーヴォイス

 栗東滞在で臨む関東馬テンダリーヴォイスはCWコースで鋭い伸びを見せた。

 栗東に滞在するテンダリーヴォイスは松山を背にCWコースで単走の最終仕上げ。開門直後、キレイな馬場を滑らかに加速して、5F69秒7~1F12秒0。先週に引き続き手綱を取った松山は「しまいの反応、動きともに良かった。先週から引き続きいい状態」と好感触を口にした。

 1日に栗東入り。木曜輸送で挑んだ桜花賞(12着)で馬体を減らしたことを踏まえての滞在敢行。「環境の変化、それに選挙カーの音…。ナーバスになってカイバどころか水も飲まなくなってしまった」と担当の金子助手。もともと小柄だが、過去最低の408キロまで減っては、力を出し切れなかった。栗東に来てからは順調そのもの。「1週間くらいで緊張は解けました。カイバもしっかり食べています」と滞在効果を強調した。

 際立つのが毛づやの良さ。「見ての通り、ピカピカです」と金子助手は誇らしげにブラシを当てる。好状態の要因の一つは「グイバンド」と呼ばれる馬具。一見ヘアバンドのようだが、首の方までつながっていて、喉元に圧をかけられるようになっている。「グイ」と呼ばれる悪癖、馬房の入り口の棒などをかじる際に空気をのみ込む癖を矯正するために使われている。空気が腹腔(ふくくう)内に入ると、せん痛の原因になることもあり、最悪、命を落とすこともある。「これをアネモネS(1着)の前から装着し始めてからカイバ食いが良くなって、冬毛が一気に抜けたんですよ」(同助手)と効果を実感している。

 1番人気の紫苑Sは直線伸びず11着。道中つまずいてリズムを崩したことも影響した。「久々の割には調教もソフトだった。叩いて息遣いは確実に良化している」と同助手。状態最高潮の関東の刺客が、波乱の主役になるかもしれない。

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