【秋華賞】キャットコイン ヨシトミ絶賛の脚!首差先着11秒6

[ 2015年10月15日 05:30 ]

併せ馬で6~7馬身先行したドラゴンキングダムに首差先着するキャットコイン(右)

 東の実力牝馬が復活だ。「第20回秋華賞」(18日、京都)の追い切りが14日に美浦トレセンで行われ、キャットコインが迫力満点のフットワークを披露した。デビュー3連勝を飾った3歳世代トップクラスの素質馬。春の牝馬2冠は馬体減りに悩んで失速したが、夏の休養を挟んで失地回復に懸ける大一番だ。

【秋華賞】

 薄手の馬体にカミソリの脚を秘めた東のエースがよみがえろうとしている。秋の涼風に栗色のタテガミを揺らしながら、キャットコインがしなやかに弾む。ポリトラックで6~7馬身先行したドラゴンキングダム(4歳500万)に急接近した直線。鞍上・柴田善の手綱がわずかに動いただけで懸命に追うパートナーに並んだ。ラスト1F11秒6の瞬発力。造作もなく首差かわした。

 「先週よりもきつい調教を課したのに、息の入りは先週よりいい。馬体が減らないように控えめなスケジュールで来たが、春より体が増えて、丸みを帯びているのが何よりもいい」。デビュー5戦全ての手綱を取ってきたベテランの顔に安堵(あんど)の色が浮かぶ。見届けた二ノ宮師も「とにかく体重の増減が激しい馬だから気をつけてきたが、この秋は意外に減っていない。直近で450キロ。夏場の休養で馬体回復に専念したうえで、一段ずつ階段を上がるように息をつくってきた」と続けた。

 クラシックタイトルを約束されたようなデビュー3連勝。2月のクイーンCでは後のオークス馬ミッキークイーンに土をつけた。だが、カミソリの脚を持つ栗毛馬は蹄鉄も容易に打たせないほど過敏な神経の持ち主でもある。食欲が細く、馬体減りに悩み続けた。桜花賞(7着)では12キロ減の428キロ。「栗東の輸送で減ってしまって貧弱に見えた」と同騎手は振り返る。オークス(12着)ではさらに2キロ減。過敏な神経が切れてしまったのだろう。ゲート内で暴れて、戦意を喪失していた。

 「馬体回復のためトライアルを挟むよりもゆったりとしたローテーションを選んだ。移動するとカイバを食べなくなるので、美浦で調整を続けて京都へ前日輸送したい」と同師は言う。復活の勝負手。「トップスピードに入っても、実にしなやかな動きをする。一流馬の乗り味だ」と柴田善。薄手の栗毛に秘めたカミソリの脚はよみがえる。

 ≪3連勝VTR≫新馬戦では最内枠から馬群を割って差し切り、ひいらぎ賞は不利な中山マイルの大外枠からまくって突き抜けた。続くクイーンCでは中団追走から直線坂上でまたたく間に先頭に立つと、ミッキークイーンの急追を首差しのいだ。14年阪神JF優勝ショウナンアデラ(秋華賞は骨折で回避)とともに二ノ宮厩舎の牝馬2枚看板といわれた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年10月15日のニュース