キズナ電撃引退…屈腱炎発症、種牡馬入り 武豊「残念です」

[ 2015年9月21日 05:30 ]

2013年、日本ダービーを制したキズナ(右)

 あまりにも突然、そして早すぎる――。2013年のダービー馬キズナ(牡5=佐々木)が右前繋(けい)部に浅屈腱炎を発症し引退することが20日、JRAから発表された。秋の天皇賞での復帰を目指し18日にトレセンに帰厩したばかりだった。今後はディープインパクトの後継として種牡馬入りする予定。

 ダービーを制した13年度のJRA賞最優秀3歳牡馬に選出されたキズナが現役を引退することになった。

 18日に放牧先の鳥取県・大山ヒルズから栗東トレセンに帰厩。天皇賞・秋を目標に調整されていたが、右前繋部浅屈腱炎を発症していたことが判明し、関係者の話し合いで引退が決まったもの。今後は競走馬登録を抹消して種牡馬入りするが現時点で繋養先は未定。

 佐々木師は「オーナーと相談の結果、引退させることになりました。ファンが多い馬だったので非常に残念です」、主戦の武豊も「復帰を楽しみにしていただけに非常に残念です」とそれぞれ書面でコメントを発表した。

 キズナは12年10月にデビューして2連勝。武豊と初コンビを組んだ3戦目のラジオNIKKEI杯2歳Sで3着に敗れたが、翌春の毎日杯から再び快進撃が始まり、3連勝でダービー制覇。武豊にとっては5回目の同レースVでファンに強烈な印象を残した。同年秋には凱旋門賞に挑戦。前哨戦のニエル賞を制し、本番でも4着に健闘した。4歳時の昨年は初戦の大阪杯を制したが、天皇賞・春4着後に左前脚の第3手根骨骨折が判明し長期休養に入った。

 今年の京都記念(3着)で約9カ月ぶりに復帰。だが続く大阪杯(2着)、天皇賞・春(7着)でも結果を残せず予定されていた宝塚記念の出走を見送り、凱旋門賞挑戦も断念。秋は国内のG1路線に専念する予定で、完全復活が期待されていた中での引退劇となってしまった。

 ◆キズナ 父ディープインパクト 母キャットクイル(母の父ストームキャット)牡5歳 栗東・佐々木厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズ 戦績14戦7勝 総獲得賞金5億1595万5800円(戦績、賞金共に海外含む)。

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2015年9月21日のニュース