【セントライト記念】サトノラーゼン　岩田「勝つイメージ湧いた」

絶好調男・岩田を背に併せ馬を行ったサトノラーゼン（左）

　秋華賞トライアル「第３３回ローズＳ」と菊花賞トライアル「第６９回セントライト記念」の最終追い切りが１６日、美浦・栗東両トレセンで行われた。セントライト記念にはダービー２着馬サトノラーゼンが出走。手綱を取った岩田に思わず笑みがこぼれるほどの出来の良さを見せた。なお同レースは２１日（月）に行われるため、多くの馬が１７日に追い切られる。

　鞍上が腰に据えたムチは一度も抜かれることなく、重心移動だけでスムーズに加速した。ダービー２着のサトノラーゼンは２週続けて岩田が手綱を取りＣＷコースでオーシャンブルー（７歳オープン）と併せ馬。僚馬を前に見るように３馬身後ろを追走。抑え切れないほどの手応えのまま３角すぎからエンジンを加速していくと、直線内からスッと抜け出し馬なりのまま１馬身突き放してフィニッシュ。

　岩田は抜群の感触に「先週と比べて道中は力みなく走れていたし、最後の勢いも凄かった。調教は行きたがるところを見せるが、競馬自体は乗りやすく展開、枠順も気にならない。（レースを）勝つイメージが湧きました」と思わず笑みがこぼれた。

　初勝利までに５戦を要したが、長くいい脚を使える堅実派。舞台・コースを問わずデビューから１０戦で【３・４・３・０】と全て馬券圏内の走り。その素質の高さが出たのが前走ダービー。最内枠から器用な立ち回りで馬群の間を縫って抜け出すと、直線も粘り強い走りで外から伸びたサトノクラウンとの接戦を制し２着を死守した。初めての中山コースだが、鞍上にネガティブな考えは一切ない。「イスラボニータのようなレースができれば」。昨年のこのレースの覇者である皐月賞馬にタイプを重ね合わせ、イメージを膨らませた。

　池江師はひと夏を越しての馬の成長ぶりを「ダービー後も元気いっぱいで、その後の宝塚記念を使えたぐらい。いい感じで夏場を過ごせて、背丈が伸びて体つきも筋肉質になった。ただ今回は先があるので意識的に余裕を持たした調整。久々なので折り合いがスムーズに付けば」と控えめに話した。

　２冠馬ドゥラメンテは両前脚のトウ骨遠位端を骨折して年内は絶望的で、ライバルとの再戦までは負けられない。ダービーの雪辱を果たすべく、ラスト１冠へ勝って弾みをつける。