【エ女王杯】ショウナンパンドラ、馬なり12秒3“秋華賞より上!”

[ 2014年11月13日 05:30 ]

坂路で追い切られ、軽快な動きを見せたショウナンパンドラ

 秋の牝馬頂上決戦「第39回エリザベス女王杯」の最終追いが12日、美浦、栗東トレセンで行われた。栗東では秋華賞をレースレコードで制した3歳馬ショウナンパンドラが快走。食欲アップで、実りの秋を体現するタフネスぶり。史上4頭目の3歳時の秋華賞→エリザベス女王杯連覇に大きく前進だ。

【エ女王杯】

 ショウナンパンドラの恐るべきタフネスぶりだ。まず坂路1本、4F75秒8で軽く流した。わずか14分後。スタート地点に戻る約1キロの下り坂を機敏に下り、即2本目の単走。ゴールが近づくと首を下げ、豪快に駆け上がった。4F53秒1、ラスト1Fは馬なりで12秒3と抜群の反応だ。

 古馬オープン馬でも坂路1本が定番の昨今、2本上ること自体珍しい。間髪入れずの再登坂は心肺機能の高さゆえ。3週前、秋華賞をレースレコード(1分57秒0)で制した反動などない。見守った高野師は「思ったより時計は速くなったが、無理していない」と笑顔。続けて「現状維持でいいと思ったけど、さらに上がっている。秋華賞よりも上です!!」と目を輝かせた。

 古馬顔負けの時計でG1制覇を飾った直後だけに、細心の注意を払った。「次に使うかどうかを含め、疲れも慎重に見極めた。使うなら、1週前(5日)にしっかりやれるかが鍵だった」と師。調教駆けするセブンフォース(4歳1000万)を相手に指名し、4F52秒8で食らい付いた。これで大丈夫。その急成長に、助手時代に在籍した松田国厩舎のG1馬がダブった。

 「春とは“食”に対する欲求が全く違う。食べて、トレーニングして。スポーツ選手の基本ですから。松田国先生の凄い馬たちもこんな感じで使う度にどんどん吸収して良くなった」

 キングカメハメハ、ダイワスカーレット。ハード調教に応えたG1馬と同じ“成長曲線”を愛馬も描いている。初の古馬相手、外回り2200メートル。そんな新たな課題も、今のパンドラの充実なら不問。主戦・浜中は「長くいい脚を使えるので外回りは魅力。精神的な成長も大きい。勢いをつけて挑めるのが一番」と信頼を寄せれば、高野師も「修羅場をくぐった古馬は強いけど、重量面など恩恵もある。まず完璧に能力が高い。直線の長さや外回りの坂も不問だと思う」と力強く結んだ。

 師が描くのは、同じ3歳で秋華賞→エリザベス女王杯を連覇した“大先輩”のダイワスカーレット(07年)と同じ軌跡だ。

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2014年11月13日のニュース