【菊花賞】ワンアンドオンリー“冠ペキ”闘志ムキ出し鋭く反応!

[ 2014年10月23日 05:30 ]

坂路で追い切ったワンアンドオンリー(右)は前走の調教で後れを取った僚馬を引き離す

 「第75回菊花賞」の追い切りが22日、栗東トレセンで行われた。調教は動かないことで有名なダービー馬ワンアンドオンリーは坂路で併せ馬。この日は周囲の期待を裏切り!?力強く動き、前走時後れを取った同じパートナーに何と2馬身先着。万全の仕上がりぶりをアピールした。メンバー中、唯一のG1馬がラスト1冠で主役を務める態勢が整った。なお同レースの枠順は23日に確定する。

【菊花賞】

 休み明けをひと叩きしたダービー馬が上昇カーブを描いてピッタリ照準を合わせてきた。ワンアンドオンリーは横山典を背に坂路へ。

 前走・神戸新聞杯の最終追い切りであおられ、半馬身後れを取ったダノンマックイン(6歳1000万)との併せ馬はラスト1F、鞍上のゴーサインにしっかり反応。グイッとひと伸びして今回は2馬身突き放した。調教では全く動かない馬が、前走時とは見違えるほど身のこなしが力強く、何より気持ちが前に向かっていた。

 ハロー(整地)明けから約1時間が経過して馬場が荒れた時間帯だった点を考慮すれば、4F53秒0~13秒4の時計も十分合格点を与えられる。橋口師はいつも通り穏やかな表情で切り出した。

 「気性が激しいし、けさも馬が多い時間帯は避けて馬場入り。ジョッキーに乗ってもらって、いつも通りラスト1Fを伸ばした。追い切りが終わって、変わりないだろ?と聞いたら、良くなっていると言ってくれた。体調は何も心配ないよ」

 今年、20頭目の起用で悲願のダービー制覇を飾った橋口師はこのレースにこれまで18頭を起用。過去を振り返ると真っ先に96年の覇者ダンスインザダークの名前が挙がる。ダービーはゴール前、フサイチコンコルドの強襲に遭って首差2着。秋こそは…。その一心で仕上げ抜き、このタイトルをつかんだ。そしてダンスインザダーク産駒ザッツザプレンティで03年に父子制覇を達成。今年は自身が手掛けたハーツクライの産駒でこの長距離決戦に臨む。

 04年に1番人気7着に敗れた父の雪辱に関しては「ダービーで成就したから、そういうのは意識していない」と笑いながらも「父がハーツクライだし、ダービーの走りを見ると、この距離がマイナスになるとは思えない」とキッパリ。2冠制覇への障壁になり得る3000メートルもきっとクリアできる。その手応えがトレーナーの言葉にたっぷり詰まっていた。

続きを表示

この記事のフォト

2014年10月23日のニュース